2012年3月15日木曜日

第273話 昔の部下がくれました

日々、ブログを綴っていると
思いもかけない人からメールをもらうことがよくある。
このたびのセンダーは元部下だった。
会社勤めの頃、J.C.はずっと営業畑で
人事とは無縁だったがその日は担当者が不在のため、
自ら面接して採用したK内A子である。
早いものであれから10年にもなろうか。

その後、彼女は同業他社にヘッドハントされ、
突然社内から消えたのだが、今から6年ほど前、
かつて数寄屋橋にあった旭屋書店でバッタリ出くわしたのだ。
短い会話を交わしただけで別れたが、それ以来の音信になる。

せっかくだから一杯飲ろうということになり、
待ち合わせたのが浅草・雷門。
その夜は行きつけの店を中心に4軒もさまよい、
よく飲み、よくしゃべった。
もともと酒はイケるクチだと記憶していたが
まさかここまでの左党とは夢にも思わなかった。
ビール好きで途中いろいろ飲んだとしても
最後はまたビールに回帰するのだと言う。
これはわが意を得たりもいいところ、
二人の酒癖が高じて夜更けのはしご酒となったわけである。

当時はまだ二十歳(はたち)そこそこだった小娘が
現在は三・三のゾロ目になっちまったとぶっちゃける。
幸せな結婚に恵まれ、まさに人生を謳歌している様子だ。
専業主婦に甘んずることなく、
ヒマをみてはクッキングスクールの講師をしているとのこと。
ふ~ん、人間変われば変わるもんだねェ。

趣味は旅行で商売柄食べ歩きも大好きらしい。
この夜は旅先で買ってきたみやげ品を2つもくれた。
可愛いヤツだ。

見るからに本物という感じ

まず香港は「鏞記酒家(ヨンキー チュウチャ)」の極品XO醤。
原材料は、干し貝柱・干し海老・海老子・雲南ハム・
赤唐辛子・乾燥分葱・塩・油。
炊き立てのごはんに乗せてもいいし、
ラーメンや炒飯の薬味としても使える。
干し桜海老の塩焼きそばに加えたらバツのグンであった。

2品目は神戸・有馬温泉にある「川上商店」の松茸昆布。
開業は室町後期だからとんでもない老舗だ。
当時は山椒・山蕗・松茸などを湯治客相手に商ったという。
江戸後期になって北海道の昆布が北前船で運ばれ、
当地の松茸と運命的な出会いを遂げることとなる。
酒によし、飯にまたよし。
おぼろ昆布の吸い物に落としてやると小粋な一椀になった。

さすがに料理教室の講師だけのことはあって
選球眼のよさに元部下・A子を見直した次第である。

「鏞記酒家」
 32-40 Wellington St. Central. Hong Kong
 852-2522-1624

「川上商店」
 兵庫県神戸市北区有馬町1193
 078-904-0153