2012年3月20日火曜日

第276話 今週号の「週刊現代」 その1

日曜朝の楽しみはNHKエディケーショナルの将棋番組。
一昨日はNHK杯の決勝戦だった。
羽生NHK杯タイトル保持者と
渡辺永世竜王の文字通り一騎打ちとなり、
将棋ファンにはたまらない最高の顔合わせである。
最終版はハラハラドキドキの手に汗握る展開の末、
羽生王者が4連覇を達成して1年間の幕を閉じた。

しかし羽生善晴の強さ、しぶとさは神の領域に達している。
タイトル獲得にはトーナメント戦で最低5勝は必要。
4連覇の意味はこの4年間、無キズの20連勝ということなのだ。
若手の台頭、ことにNHK杯のような早指し戦では
彼らの活躍が著しいけれど、今年で41歳になる棋界の第一人者が
大きな壁となって立ちはだかっている。
いや、実に頼もしい。

明けて月曜日。
毎週月曜発売の「週刊現代」を買いに近所の書店へ。
帰宅して目を通すと、興味をそそられた記事が2つ。
読者のお目にもかけたいので
例によって編集部には無断で紹介してみたい。
1つ目の記事は一部中略つきで転載する。

=義捐金トップは中日新聞社=

1位・・・中日新聞 2位・・・朝日新聞 3位・・・読売新聞。
もちろん、発行部数の話ではない。
なんとこれ、各新聞社が東日本大震災でどれだけ義捐金を
集めたかを調べた結果である。
中日が約86億円を集めたのに対し、2位の朝日でも約33億円。
倍以上の差である。
窓口となった中日新聞社会事業団社会奉仕部に聞いた。
「読者が中日新聞を信頼して預けてくださったおかげだと感謝しています。
伊勢湾台風で全国から義捐金が集まったため、
年配者にはその恩返しと考えた人も多いようです。
企業では1億円、個人では1千万円が最高ですが
たとえ1円でもいただいた方は全員お名前を紙面でご紹介しました。
それが、これほどの金額が集まった理由だと考えています」
同様にすべての寄付者の氏名を掲載した神奈川新聞、
上毛新聞なども10億円以上集めている。
「地方紙は読者との距離が近く、
名前が載ることは地元の人にとってステータスになる。
このような手法は地元紙が生き残るためにいいアイデアだと思います」
(門菜直樹・立教大学名誉教授)

記事を読んでなるほどなァ・・・と思った。
しかしすぐに何だかなァ・・・とも思った。
人間の心に同居する善意と我欲のアンチノミーを
目の当たりにした感があった。
知らなかった裏事情をたまたま知ることができたわけだが
いま少しこの事実を考えてみたい。

=つづく=