2012年3月28日水曜日

第282話 哀愁のヨーロッパ映画音楽

サンタナの「哀愁のヨーロッパ」を聴きながらコレを書いている。
1970年代後半、東京の街にはこの曲が流れていた。
今日は映画音楽、それも欧州映画に絞って懐かしむつもり。
それゆえあえてサンタナに登場を願った次第だ。

文化放送に「ユア・ヒットパレード」という人気番組があった。
1955年の第1回は当時の封切り映画の紹介で
翌週からヒットパレード形式になったという。
そんな経緯もあり、映画音楽が幅を利かせた番組だった。
スクリーン・ミュージックをひとつの音楽ジャンルとして
確立させたのは「ユア・ヒットパレード」の功績である。

かく言うJ.C.も、まだ紅顔の美少年の頃、
中学・高校時代に番組のお世話になった。
おかげで厚顔の初老年になった今も
スクリーン・ミュージックは大好きなのだ。
もっとも最近の封切り映画はほとんど観ないから
オールディーズ、いわゆる懐メロに限りますけどネ。

故・談志家元に倣い、思いつくままに懐かしの名曲を挙げてみる。
ヨーロッパ映画といってもイギリスや東欧はちと趣きを異にするから
北欧・南欧を含む西欧に絞って紹介したい。
年次順に並べたいが歳を取ると何をするのも面倒くさい。
まさに羅列の態で御免こうむりやす。

禁じられた遊び、現金に手を出すな、カビリアの夜、
太陽のかけら、禁じられた恋の島、愛のために死す、
誘惑されて棄てられて、イタリア式離婚狂騒曲、
死刑台のエレベーター、鞄を持った女、個人教授、
地下室のメロディー、リーザの恋人、冒険者たち、
あの愛をふたたび、ひまわり、スウェーデンの城、
サムライ、国境は燃えている、パリのめぐりあい
ザッとこんなところデス。
ほとんどがフランスとイタリアの作品になっちゃった。

そしてとりわけ心に刻まれている曲が
刑事、シェルブールの雨傘、太陽の下の十八才、
太陽がいっぱい、太陽はひとりぼっち、ブーベの恋人、
なのだ。
ちなみに刑事の主題歌は
A・ケッリの歌った「死ぬほど愛して」ですネ。

この6作は音楽だけでなく映画としても好きで
役者にも共通するものが見られる。
C・カルディナーレ、A・ドロン、
N・カステルヌオーヴォの出演作がそれぞれ2本。
あとはスパークとドヌーヴの2人のカトリーヌが1本ずつ。

脇役ながらM・ミシェルも2本に顔を出している。
しかもこの人、どちらも鬼の居ぬ間の女を口説き落とす役。
こういうのがハマリ役の役者もいるんですねェ。
ちなみにその2本の映画をズバリ当てることができたなら
アナタは相当の映画通ですゾ!

主題曲への傾倒はさほどではないが
誘惑されて棄てられて、イタリア式離婚狂騒曲は
もっとも愛する映画のうちの2本だ。
ともに監督は、刑事、鉄道員のP・ジェルミで
主演はS・サンドレッリ。
そしてこのステファニア・サンドレッリこそが
わが人生、最愛の女優である。
機会があったら観てやってくんらまし。