2014年10月8日水曜日

第942話 秋の日の厨房 (その1)

昨日は早起きして朝7時からTVのWOWOW。
メトロポリタンオペラの「アイーダ」を丸3時間かけて観た。
いや、懐かしい。
何せわが人生、初のオペラがメトの「アイーダ」。
ときに1991年12月28日であった。
’94年には2月にメト、5月にはベルリンのドイッチェ・オーパーでも
この「アイーダ」を観た。

三度観た中では’94年のメトがベスト。
何となれば、王女アムネリス役のドローラ・ザジックが
大の気に入りメゾソプラノだからだ。

昨日観た「アイーダ」でもザジックは
その健在ぶりを余すところなく見せていた。
進行役のルネ・フレミングのインタビューに応えて
「まだまだ上を目指さねば―」―いや、ご立派。

ザジックのアムネリスを語り出すと、
「アイーダ」ばなしはC.C.こと、
クラウディア・カルディナーレの主演映画、「鞄を持った女」にまで及び、
キリがないからまたの機会にゆずる。

 ♪ つたのからまるチャペルで 祈りを捧げた日 
   夢多かりしあの頃の 想い出をたどれば 
   なつしい友の顔が 一人一人浮かぶ 
   重いカバンをかかえて かよったあの道 
   秋の日の図書館の ノートとインクのにおい 
   枯葉の散る窓辺 学生時代    

   讃美歌を歌いながら 清い死を夢見た
   何のよそおいもせずに 口数も少なく
   胸の中に秘めていた 恋への憧れは
   いつもはかなくやぶれて 一人書いた日記
   本棚に目をやれば あの頃読んだ小説
   過ぎし日よ私の 学生時代   ♪

          (作詞:平岡精二)

オペラからいきなり流行歌とはわれながら支離滅裂。
お許し願いたい。
「学生時代」はペギー葉山のナンバー中、
大ヒットした「南国土佐を後にして」より好きな曲である。
作曲も平岡精二で詩・曲ともに非の打ちどころナシ。

それにしても女学生というのはスゴいなァ。
讃美歌を歌いながら、清い死を夢見るんだからねェ。
オトコの学生だったらさしずめ、
春歌を歌いながら、みだらな性を夢精、
もとい、夢想するのがオチだろうヨ。

ヨタばなしはさておき、とある秋の日。
図書館の代わりに厨房に入るJ.C.がいた。

=つづく=