2015年7月28日火曜日

第1151話 中・高時代は大ご馳走 (その2)

巣鴨はとげぬき地蔵(高岩寺)前の目抜き通り。
そこでパン屋にして洋食屋の「タカセ」を発見し、
店頭のメニューボードに見入っている。

本日の日替わりランチはメカジキとチキンの組合わせ。
老舗が提供するのは750円と良心的価格である。
しかもライスの代わりにパンを選択すると、
驚いたことに4種の自家製パンが食べ放題ときたもんだ。

飲み放題には”飲指”を動かすわが身ながら
食べ放題には食指がピクリともしない。
いや、むしろ食べ放題を避けるというか、
極論に及べば軽蔑するフシすらあるのを自覚している。

あんな暴食は育ちざかりの青少年限定にすべきで
真っ当な成人には百害あって一利ナシ。
挑んだ者の肉体と魂を蝕(むしば)んでやまない。

勝手なご託を並べるな! ってか?
酒びたりのオマエは何様のつもりなんだ! ってか?
ハイ、ごもっとも。
返す言葉が見つかりやせん。

さて、巣鴨の「タカセ」である。
ここは小体なビルが全店「タカセ」。
1Fがパンやケーキの小売ショップ。
2Fはティーサロン。
3Fがレストラン。
三業一体システムをとっている。

三業地となれば、巣鴨の隣り町、
かつての大塚がつとに有名ながら
どっこい巣鴨にも存在していたわけだ。

3階にエレベーターで上がり、
レジ正面の4人用テーブルに着席。
運ばれたお冷やを軽く一気飲みの巻である。
摂氏30度を超える暑い日、
ノドを潤すとともに、ひとまず冷水を流し込んで
いつでもどこでもビールに走ろうとするわが脳を牽制しておく。

レギュラーメニューに目を通しながら
料理の到着を待つこと15分余り。
こんなに出(で)が遅いんじゃランチタイムに限りのある、
OL&リーマンには向かない食事処であることは明らかだ。
そのぶんヒマを持て余す婆ちゃんにはピッタリの場所といえよう。

周りを見渡すと若者の姿は皆無。
かといって客層の主流は婆ちゃんでもない。
オバさんの対子(といつ)か、ママともグループが目立つ。
おそらくお地蔵さまに手を合わせた婆さんたちはそのあと、
甘味&軽食の店で休憩がてらの昼食をとるらしい。
そんな店舗が地蔵通りには数軒あるからネ。

=つづく=