2016年4月7日木曜日

第1333話 どっこい生きてた レーズンバター (その4)

葛飾区・堀切の「きよし」。
ボールを飲りながら数十年ぶりのレーズンバターをつまむ。
う~ん、やっぱりあんまり旨いもんじゃないなァ。
しかもこいつはバターじゃないゾ、マーガリンだヨ。
そりゃマーガリンだって子どもの頃、
小学校の給食に出てきたヤツより、
ずっと改良されてはいるけれど、バターには到底かなわない。

頑張って数ピースをやっつけたものの、
とても完食とはまいらなかった。
こういうモンは食べすぎると気持ちが悪くなるしネ。
ハナシのタネというか、
ブログのネタを280円で買ったというわけだ。
安いっちゃあ、安いわ。

ボールは2杯目。
普段よりピッチが上がっているのは
口内に残る脂っ気を流したいがためだろう。
まったくもって余計な注文をしたものよのぉ。

何かほかのつまみが欲しい。
桜海老玉ねぎ天(480円)に惹かれたけれど、
油モノはちょっとねェ。
いえ、レーズンバターのせいばかりでなく、
「綾瀬飯店」でラーメンを食べてから
まだ2時間と経っていないのだ。

何かあっさりといきたい。
よって海老は海老でも甘海老刺し(300円)をお願いした。
これもまたずいぶん安いけど、大丈夫かいな?
おそらく冷凍の解凍だろうが大ハズレはなさそうに思えた。

ところが運ばれ来たるは甘海老に非じ。
まぎれもない赤海老が5尾であった。
赤海老となるとまず100%、アルゼンチン産だ。
南日本から東南アジアにかけて漁獲される、
小型の赤海老とは別種の大型赤海老である。

アルゼンチンといえば、マツイカを思い出す。
1982年に勃発したフォークランド紛争の頃、
盛んに冷凍輸入されていたイカである。
最近は海老にとって代わられてトンと耳にしないが
今でも市場に出回っているのだろうか?

とにかく大味な赤海老をしゃぶってみた。
しゃぶってはみたけれど、旨くも何ともないネ。
旨くも何ともないけれど、5尾で300円って
いったいどこから仕入れてるのだろうか?
スーパーですら5尾500円が相場じゃないの?

まっ、今宵は忘却の彼方にあったレーズンバターに
遭遇しただけでも良しとしようか。
ところが驚いたことに偶然ってヤツは重なるもんですネ。
意外なところでレーバタに再会したのだ。
それはまた近々のお楽しみというこって―。

=おしまい=

「きよし」
 東京都葛飾区堀切5-23-6
 03-3690-9947