2016年5月18日水曜日

第1362話 あの味がよみがえる (その6)

久しぶりにロービーを食したわれわれの感想は
オヤッ?・・・う~ん! であった。
明らかに30年前のほうが良質。
したがって懐かしさもイマイチだ。
仕方ないから先に進む。

次は結婚披露宴の花形料理だった海老のテルミドール。
本来は伊勢海老を半身に縦割った甲殻にその身のクリーム煮を詰め戻し、
オーヴンで焼き上げるのだが
此度はココットに小分けのグラタン仕立て。
海老自体も高価な伊勢海老を使うことは不可能だろうから
おそらく冷凍のオマール海老を代用したものと思われる。
海老よりほうれん草が主役
この料理はテルミドールというより、
海老の代わりに平目が多用されるフロランタンに近い。
よって懐かしさもイマニ。

すでにロービーをいただいたが
これから肉料理を本格化させる前に
ちょいと中華系をのぞきたくなった。
”のぞく”は除くじゃなくって覗くほうネ。

とは言うものの、それほど選択肢があるわけじゃない。
無難な点心を軽くつまむことで相方と意見の一致をみる。
焼売2種&餃子1種
かにと豚の焼売に海老の餃子だ。
海老チリと同じ「満楼日園」の作品ながら出来映えはかなりの差。
もちろん海老チリの圧勝である。
肉に戻る。
スペシャリテ四天王の一翼を担う牛肉のパイ包み焼きを一つだけゲット。
見た目はロシア料理のグリヴーイ
核廃絶を謳うオバマッチには食べさせたくない感じ。
爆発後はこんな風
すばらしき美味には非ざれど、そこはホテル、
ある程度のぜいたくな仕入れは許容されているのだろう、
素直に美味しかった。
 
ここまでなんとか二人でシェアしながtら乗り切ってきたが
さすがに第四コーナーを回ると、
バタバタのアップアップ、落馬寸前である。
 
最後の力を振り絞って仔羊のローストに挑んだ。
ラムはビーフに勝ちました
ラック・オブ・ラム、いわゆるアバラ骨付きの上物ではない。
比較的安価なモモ肉だが逆に家庭では処理しきれぬ大きな塊、
よい機会に恵まれたとと思えば納得できる。
しかもこれはこれでじゅうぶんに楽しめたのだった。

=つづく=