2016年5月16日月曜日

第1360話 あの味がよみがえる (その4)

その小品とはレーズンバターでありました。
とにかく目にした瞬間、わが目に疑問を持ったくらい。
ご覧のようにカナッペ仕立て 
かつて(今はどうだろう?)ホテルの宴会では
カナッペがたびたび供されることがあった。
コース料理におけるオードヴル(アペタイザー)・プレートに盛込まれたり、
カクテルパーティーにおいて持回られたりしたのだ。

だけど東プリでレーズンバターを見たことはただの一度もない。
何で今、レーズンバターなのか?
市井のスナックに成り代わって復刻させたのだろうか。

せっかくのご厚意とあらば、それに報わねばならない。
よって1ピースだけつまんでみたら
さすがにホテル、堀切の「きよし」よりワンランク上ではあった。

ネクストは魚介のテリーヌ。
どうです? この美しさ
自分でソースをあしらったのだが
われながら見事なものヨと自画自賛。
ギャルソンの経験なくして、こんな芸当はできやしない。

そしてなおかつ、この料理は二人共通のフェイバリット。
肉系テリーヌより好きなくらいだ。
海老・ホタテ・サーモン等をふんだんに使って
デリケートな食味を生み出している。

でも、以前はソースなんか付かなかった。
ましてや小学校の給食の定番(今もそうかな?)、
オーロラソースとはまことに意想外。
ところがこれがとても美味なのだ。
欲しくなってグラスの白をお願いした次第なりけり。

以後、どんどんずんずん食べ継いでいった。
海老とアスパラの天ぷら、まぐろ赤身とゆで海老のにぎり鮨。
天ぷらはともかくも、にぎりはよしたほうがいいんじゃないの?
といったレベルながら隣国の団体には打ってつけだろう。
事実、彼らは皿にてんこ盛りで爆食しておった。
こんなんなららいっそのこと、
にぎりコーナーに”爆食限定”の札でも置いときゃいいじゃん。

あらためて食事どきのマナーの大切さを思う。
給食は一つ間違えると、給餌に堕してしまうのだ。
そうなったらおしまい。
現代の人類が古代の類人に逆戻りしてしまう。
それだけは絶対に避けなきゃネ。

=つづく=