2016年5月9日月曜日

第1355話 五月のそよ風 (その2)

 ♪   みどりのそよ風 いい日だね
   ちょうちょもひらひら 豆の花
   なないろ畑に いもうとの
   つまみ菜つむ手が かわいいな ♪

      (作詞:清水かつら)

童謡「みどりのそよ風」を覚えたのは
確か小学校5年のときだった。
大田区・大森の大森大五小学校から
江東区・深川の平久小学校に転向したのが五月。
転校早々、音楽の時間に教わった。
季節がピッタリで文部省もなかなか考えてたんだネ。
 
千葉県・松戸市、JR松戸駅からほど近い、
チキンの殿堂を自称する「鳥孝」の2階は
入れ込みの座敷に胡座をかいている。
 
座敷といっても畳ではなく籐敷き、いわゆるラタンである。
よって浅草のどぜう屋か森下の馬肉屋に来た気分にさせるから
こんな田舎(失礼!)でも下町情緒の片鱗を実感できる。
開け放たれた大きな窓からそよぎ入る薫風が肌に快適だ。
 
折しもこの日はみどりの日。
文字通り、みどりのそよ風に吹かれているわけ。
読者にはすでに耳だこだろうがビールの美味さに酔いしれている。
いえ、まだ酔っちゃいませんがネ。
 
突き出しのひじきには箸をつけなかった。
ひじきはあまり好きじゃない・・・
と言うより苦手の部類だ。
どうも相性がよろしくない。
それに歯にはさまってるのを気づかずに
ニッと笑ったりしたらみっともないしネ。
 
とにもかくにも殿堂とあらばチキンをいただかずばなるまい。
黒字の品書きにはところどころ赤い文字が散見され、
これは店の名物、あるいはオススメであるらしい。
手っ取り早い焼き鳥から注文することにした。
 
皮とハツを塩でお願い。
特筆すべき点はないけれど、まずまず平均点はクリアしている。
これだけで大瓶がカラになったのですかさず2本目。
焼き鳥のお替わりよりもビールが先だ。

そうしておいてレバと赤字表示のつくね棒をタレで―。
するとつくねが売り切れ。
代わりにすすめられた団子で妥協した。
レバはよかったが団子には何の特徴もない。
まっ、代替品だから仕方がないや。

=つづく=