2016年6月20日月曜日

第1285話 しかたなく秋葉原 (その7)

台東区・池之端の「新ふじ」にくつろいでいる。
清酒・大関の合いの手にもつ煮込みを所望した。
もつは豚のシロである。
豚の小腸、シロの場合は
白味噌仕立てが一般的てJ.C.の好みもそこにあるが
100%ではないものの、かなり八丁味噌が主張するタイプ。
これがなかなかに功を奏して独特の旨味を醸成している。

東京の煮込みではマイ・ベストテン、
いや、ベストファイヴにランクインするほどに好きな逸品だ。
日本酒にもビールにもピッタリだし、赤ワインにも合う。
その際はバゲットのガーリックブレッドを添えたら言うことなし。
もちろん白飯のおかずにもよろしかろう。

大関をゆるり飲み終え、菊正宗に切り替えた。
煮込みはまだ半分近く残っている。
清酒は二合で打ち切って仕上げはもりそばだろうか―。
それでじゅうぶんながら、
ふと野菜を摂取しなければという思いにかられた。

さすればニラ玉かニラ肉炒めだ。
もつ煮込みのあとにニラ肉では
あまりに肉々しくなるからここはニラ玉にする。
ニラたっぷりにマイルドな味付け、菊正とともに美味しくいただいた。

数日後、再び秋葉原へ。
預けたUSBをピックアップに出掛けたのだ。
出発前からこの日の晩酌は「三州屋神田駅前店」と決めてある。
同じ轍は踏みたくないからネ。

ときどき立ち寄るこの店では
赤星ラガーか黒ラベルの大瓶でスタートする。
ともに言わずと知れたサッポロビールの製品で
キリンやアサヒは影も形もない。

サッポロに義理でもあるのか、
はたまた弱味を握られているのか、
そのあたりの事情は皆目見当がつぬが
こういう品揃えはきわめて珍しい。
これに似た状況でキリン一色の店に入った記憶があるけれど、
それがどこだったか思い出せない。

さて、つまみである。
ここでよく注文するのは3品。
刺身盛合せ、銀むつあら煮、蟹サラダがそれで
三種の神器と呼んでもよいくらい気に入っている。
一応、壁の品書きを丹念にチェックし始めた。

=つづく=

「新ふじ」
 東京都台東区池之端2-8-4
 03-3821-3913