2016年6月6日月曜日

第1375話 北区の旅人 (その5)

JR京浜東北線・東十条南口の坂を
下りきったところに位置する大衆酒場「新潟屋」。
カウンターに横並んでビールを楽しみながらつまみの吟味に入った。
とは言うものの、互いに空腹をちっとも感じないから
何か軽いものでお茶を、もとい、ビールを濁す程度にしたい。

どちらも率先して声をあげない。
このままでは仕方ないので
「無難なものを頼むヨ」―ちょいとやり投げに
再びもとい、投げやりに相方をうながした。
「そう言われてもねェ」―積極性がまったく伝わってこない。
もちろんこちらにも責任の一端はある。

「新潟屋」の名物は豚もつの串焼き、いわゆる焼きとんである。
われわれはともに焼き鳥より焼きとんを好む。
だのにヘジテイトしている。
フードよりドリンク重視のの結果がこれ。
つまみは突き出しの新香でじゅうぶんなくらいなのだ。

結局は薬局、相方・P子が選んだのは
椎茸とピーマンの串焼きだった。
自分一人ならば、およそ注文しない品である。
しかし、こんな状況下なら手堅い選択かもしれない。

ビールからボールに移行するとき、彼女がつくねを追加する。
つくねはいわゆる肉団子。
ここでハイボールとミートボールがご対面に及んだわけだ。
東十条はけして下町ではないけれど、
相当に下町ックなコンビネーションである。

ボールも2杯目、ようやくエンジンがかかり始めたJ.C.は
焼きとんの佳店「新潟屋」に来れば逃さじのシロとレバをタレで―。
旨いんだな、これがっ!
ちなみに当店の串焼きは豚もつも野菜系もオール1本100円也。

デフレから脱却できないのはオマエのせいだなんて
アベクロ・ブラザースに八つ当たりされそうな良心的値付けである。
ということは彼らには良心がないということだ。
それでも悪魔に心を売り渡した”マス”よりなんぼかマシか―。
毎日、TVであの悪相を見るたびに胸クソが悪くなる。
自公は百条委員会の設置に慎重というが
どちらも馬鹿丸出しの体たらくと言うほかはない。

読者の中にも多数おられると思うのだが
反目を承知であえてバッサリ斬らせてもらえれば
都知事選であんなのに1票を投じた方は
おのれの不明を多少なりとも恥じずばなるまい。

置き去られ7日後に無事生還した、
7歳の大和クンの爪のアカでも煎じて飲ませてやりたいヨ、ったく。
まさしくあの子は戦艦大和ならぬ、生還大和。
海外でも大々的に報道されてるらしいが
ちと古いけれど、横井さんや小野田さんを
重ねて思い出した向きも少なくないのでは―。

=つづく=