2016年6月13日月曜日

第1380話 しかたなく秋葉原 (その2)

都内でもっともアブノーマルな街、秋葉原。
J.C.が勝手にそう決めつけてるだけではありますがネ。
あえて好意的にとらえれば、
ユニークな街ということにもなりましょうか―。

その道のマニアでもなけりゃ中高年にはこの空間に
身を置くだけでかなりツラい場所ながら、
多くの若者はここに来るとわくわくするらしい。
たぶん、いろんな楽しみ方があるんでしょうな。

エニウェイ、夕まぐれの電気街に独りたたずんでいる。
今宵の止まり木を物色し始めてもいる。
とにかく一刻も早くこのエリアから脱出したい。
歩き始めたらチラシを渡してくれようとする、
ヘアキャップの娘さんの群れに出くわした。
そのあいだをすり抜けるようにして
メインストリートの中央通りに出る。

秋葉原はJR山手線とJR総武線が交差する鉄路の十字路。
東西南北、どの方角に向かっても一駅歩くだけで
翼を休めるに恰好の止まり木を見つけることができる。

頭の中を候補の店々がグルグル回り始めた。
ちょいと整理してみよう。 

東―浅草橋
 西口焼きとん 洋食・大吉  小料理・歩里

西―お茶の水
 お茶の水ビアホール 

南―神田
 大衆酒場・大越 居酒屋・三州屋

北―御徒町
 焼きとん まーちゃん 角打ち・まきしま酒店

ちょいと思い浮かべただけでこんなに出て来る。
いや、迷っちゃうよぉ。

このほか南東に当たる場所には
多くの佳店がひしめくエリアが―。
しかも上記4駅のどこよりも近い。

旧神田連雀町、現在の神田須田町1丁目、
神田淡路町2丁目界隈がそれだ。
ここには奇跡的に戦災を免れた、
古い建物が多数残されて営業を続けている。
と言ってもあんこう鍋の「いせ源」や鳥鍋の「ぼたん」は
軽く一酌というわけにはまいらず、
第一、独りで訪れる客はほとんど皆無であろう。

=つづく=