2017年7月5日水曜日

第1659話 プチッと噛まれた小籠包 (その3)

 ところが・・・のつづき。
詳しいことは知らないがピータンには
台湾産と中国産があって好みは前者。

どこが違うのかというと、
黄身の部分がトロリと柔らかいのだ。
ともすると白身も固まりきらずにゼリーではなく、
ジュレ状態のものに出くわすことすらある。
それが当たりのピータン。

「府城」のピータンは黄身まで固かった。
台湾ビールはよかったものの、
台湾ピータンは当たりといえなかった。
だが、けっして不味いというのではないから
誘われるように紹興酒が飲みたくなった。

選んだのはちょいと奮発して陳10年。
舌ざわりなめらかにしてノド越しスッキリ。
まことにけっこうである。
3年物ではとてもこうはいかない。

続いての豆苗は本物の豆苗。
スーパーで売られている豆苗は
緑豆のもやし、いわゆるスプラウトだ。
漢字の持つ本来の意味からすると
それこそが豆の苗だから文句は言えない。

しかしながら本格中華料理の豆苗は
緑豆の若葉、あるいは若芽と言ったらいいだろうか、
格段に味わい深く、はるかに美味なのだ。
いわば、まったくの別モノである。

豆苗はガーリックとともに炒められ、塩味仕上げ。
久しぶりに本物と出会った。
ここ5年はお目に掛かっていないハズ。
初めて食べる相方も大きな目を細めている。

お次は小籠包。
点心類の中ではハーガウ(海老蒸し餃子)とともに
大好きな一品といえる。
やや大き目なソレをちり蓮華に取って口元に運んだ。

小籠包をいただく際に注意を払わなければならないのは
一にも二にもヤケドである。
フウフウと息を吹きかけある程度冷まさないと
皮の中からあふれ出る肉汁に唇や舌をヤられてしまう。
もちろんJ.C.は用心にも用心を重ねて
慎重に味わった。
ところが・・・

=つづく=