2017年7月25日火曜日

第1673話 年に2回の仲間メシ (その4)

西日暮里エリアにおいては
数少ない人気店「たぎつ屋」の卓に四人。
これから追加注文に及ぶところであった。

もったいぶって申し訳なかったが
その一品はフォワグラのソテーであった。
日本の女子のあいだでフォワグラは人気が高い。
肥大したガチョウの肝臓を食うことを
一種のステイタスと考えているフシがないでもない。
レバーは嫌いだけどフォワグラは好き。
聞いてて張り倒したくなるような若い娘もいるくらいだ。

とにかく三人前お願いした。
値段(850円)が値段だけに本場・フランス産ではあるまい。
フォワグラの普及品は
現在、世界水泳開催中のハンガリーからの輸入品。
当店も例外ではなかろう。

まっ、言われてみれば、
確かに焼き鳥屋や焼きとん屋のレバーとは違うわな。
血生臭いところがないもの。
これはいわゆる血肝ではなく脂肝なんだネ。

三人前を四人で取り分け、一同それなりに得心。
そろそろ仕上げに入らねば―。
ここでJ.C.、ふと食べたいものを思い出した。
一見お好み焼き風なのに粉を使わないとん平焼きである。

元来、お好み焼きをあまり好まぬ身ながら
玉子と豚肉が主役のとん平焼きはちょくちょく注文する。
ほかに頼む品目がほとんどないから
来ればお願いの定番メニューとなっている。
もっともお好み焼き店を利用するのは年に1回か2回程度だ。

Hがサイコロステーキを食べたいと言い出してこれも追加。
(小)でいいと言うのを四人もいるんだから(大)にしなさい。
そう言ったのはほならぬJ.C.。
結果、みんな満腹とみえて
鉄板の上にはサイコロがコロコロと残る始末。
まったくの無駄遣いで余計なことを言ったものよのぉ。
お勘定は一人アタマ3700円也。

徒歩約5分、やって来ましたスナック「Y」。
ビールとハイボールで再度乾杯し、
H&Wの「恋のバカンス」でスタートの巻。
途中、利発なWはともかくも
オッチョコチョイなHはスナックにおけるマナーに関して
姉貴分のTから何回か教育的指導を受けている。
とまれ、スナッキー・シスターズはこぞってハッピー。
まことにけっこうな夜でありました。

=おしまい=

「たぎつ屋」
 東京都荒川区西日暮里5-15-13
 03-5615-2342