2017年10月5日木曜日

第1715話 ホントにたっぷり海鮮丼 (その2)

文京区・根津の「鮨みひろ」にいる。
冷たい緑茶で一息入れながら
たっぷり海鮮丼が整うのを待っていた。
最初に運ばれたのはサラダで
ベビーリーフが散っているが中身はほとんど水菜だ。

待つこと15分強。
真っ白なドンブリに盛られて海鮮丼が到着した。
見た目は小ぶりながら容量がけっこうあって
手のひらにズシリとくる。
傍らにはスープではなく、
サカナのアラで出汁をとった味噌碗が
コーヒーカップに入れられて―。

ここでドンブリを飾る陣容の検証である。
インパクトの強いのは鉢の半分近くを占めるかつおで
6~7切れもあったかな。
それにブリらしき切り身が4切れ。
そして細かい包丁が入ったイワシが一盛り。
あとはアジと帆立とタコが1切れづつに
茹で海老と玉子焼きだ。
看板に偽りなく、たっぷり海鮮丼であった。

難を指摘すると、かつお・ブリ・イワシ・アジ、
サカナたちはすべて青背。
青背好きには垂涎だろうが
白身を好むJ.C.には、ちとキツい。
せめて酢で〆てくれないものかしら・・・
ここに真鯛と平目が1切れづつあれば、
言うことないんだがねェ。

しかしながら注目したのはブリである。
身肉に濃い赤みがかかって
ちょっと見はブリに見えない。
店主に確認すると、はたして北海道のブリとのこと。
なるほどネ、これは天然モノなのだ。
養殖モノのようなシツッコい脂ッ気とは無縁であった。

何とか完食したものの、
ブリには本わさ、かつおにはニンニクが欲しいなァと
またしてもないものねだり。
ハハ、学習してないねェ。

店内には午後の気だるい空気が流れている。
カウンターが5席、
窓際には10人ほどは座れそうなテーブル席。
確か、以前、この場所はイタリアンだったハズだ。

支払いをしながら店主に訊ねると
「ああ、それはお隣りですネ」―
そうか、「大麒麟」の2階がイタリアンで
ここは1階のマッサージ・パーラーが使っていたんだ。

オモテに出て確認したら「大麒麟」の上は
カジュアル・スパニッシュへと変貌を遂げていた。
同じビルの1階にパスタ主体のイタリアンが
すでにあるから共存は難しかったのだろう。
食べもの商売ってのは一筋縄じゃいかないんだネ。

「鮨みひろ」
 東京都文京区根津1-1-11千代田ビル2F
 03-5842-1668