2017年10月10日火曜日

第1718話 鰻や穴子の舞踊り (その3)

自由が丘「ほさかや」の鰻レバー塩蒸しは
どうにもいただけなかった。
昭和24年創業の老舗なのにねェ。
J.C.より年長なのになァ。
てなこと言ってても始まらないか。

始まらないので高清水のお替わり。
そうしておいて最後の一品はうなぎの煮凝りである。
確か、このあと訪れる予定の「金田」には
海胆の煮凝りがあったハズ。
ダブッたとしても、それはそれでよしとしよう。

近頃、巷では粗悪な煮凝りが流通しており、
卓に放っておいても、まんまのカタチを維持。
室温でぬくめられても溶けないのだ。
何が混入しているのか知らないが、あれは気色悪いネ。

「ほさかや」に入ったのは16時ジャスト。
2軒目の「金田」は17時開店である。
16時45分になったので、独りちょいと席を外し、
様子をのぞきに行ってみると、
何だ、なんだ!
すでに暖簾を出して席も6割がた埋まっているじゃないの。
ただちに舞い戻り、慌ただしくお勘定。
二人で6千円は想定した通りであった。

懐かしい光景が目の前に拡がっている。
8年ぶりくらいかな? と思ったものの、
帰宅後調べてみたら前回は2012年2月の訪問。
何だ、ワリと最近じゃん・・・でもないか。

「金田」のレイアウトは入って手前に小さいの、
奥に大きいの、二つのコの字カウンターが設えてある。
われわれは奥に案内された。
さっそくの乾杯はサッポロラガー、いわゆる赤星の大瓶だ。

手書きをプリントアウトした品書きには料理がビッシリ。
目を通すにそこそこの時間を要する。
ながめながら相方の問わず語りを聞くと、
地元にいながら「金田」は初めてなんだと―。

以前、やはり「ほさかや」で
隣り同士になった見知らぬ客と意気投合して流れたら
酔客扱いされて追ん出されたんだと―。
へぇ~っ! であった。
その点、今回はだいじょうぶ、
J.C.という名のジェントルマンが付き添っているからネ、
ハハハ。

=つづく=

「ほさかや」
 東京都目黒区自由が丘1-11-5
 03-3717-6538