2018年3月7日水曜日

第1822話 三匹のおっさん (その4)

おっさん会も3軒目。
江東区・白河の「実用洋食 七福」に入店した。
飲み疲れと歩き疲れでぐったりしている、
ブウブウおっさんの背中を手荒く押し込んでネ。

その様子を通行人が目撃したならば、
「鬼平」、「暴れん坊」、「桃太郎」、
まあ何でもいいんだけど、
時代劇の一シーンを思い起こしたことだろう。
そう、下手人を牢屋に押し込む牢番の如くであった。

驚いたことにブウブウも立小便も、もとい、
先刻、用を足されたおっさんも
まだ日本酒を飲む気でいるヨ。
止めても仕方ないし、ハナから止める気もないし、
羊飼いは2匹の老羊を放し飼いにした。

そうしておいて羊飼いはサッポロ黒ラベルをお願い。
大衆的な店の常として
オネエさんが運んで来たのは大瓶である。
いや、他人をとやかく言う資格はないねェ。
よくも飽きずにビールばっかり飲んでいられるもんだ。
あきれるけれど、反省はしない。

振り返れば、当夜はもっぱら飲みに徹して
あんまり食べていない。
飲むばかりでは身体に毒、二人に注文をうながす。
ブウブウが即座に餃子。
立小、もとい、もとい、用足しは迷った挙句に
七福ランチの(上)を選んだ。
「みんなで突っつこうヨ」の言葉を添えて―。

実はこの「七福」、自著で詳しく紹介したことがある。
家族経営の店なので
ファミリー3人(両親&娘)の写真撮影を頼み込んだら
気安く応じてくれた経緯があった。

J.C.自身は顔を合わせていないが
3人の尊顔は目に灼きついている。
さっきビールを運んでくれたのが
年齢を重ねた、その娘さんである。

夜も昼と同じ内容の七福ランチ(上)は
海老フライ、ハンバーグ、鳥唐揚げ、
それにハムだったかな? そんな陣容だった。
それらを一切れづつ、加えて餃子を1カン。
大瓶2本を空けるにじゅうぶんのつまみとなった。

一人が脱落したのを機に当夜は3軒で打ち止め。
またの機会を約したものの、
半年先くらいにしておきたい。
何だかおっさん会は疲れるんだ。
そうだ! 次回は美女軍団と混ぜてみようか。
いや、いや、ダメ、ダメ、
老羊が老狼に変身したら、お手上げだからネ。

=おしまい=

「実用洋食 七福」
 東京都江東区白河3-9-13
 03-3641-9312