2018年3月26日月曜日

第1835話 変わりゆく大井町 (その1)

しばらく無沙汰していた品川区・大井町に出没。
今宵のターゲットはこの町きってのディープスポット、
東小路飲食店街である。
グルメ番組のルポルタージュみたいになっちゃうが
この狭い横丁をふらふらと飲み歩きたい。
その一心で参上つかまつった次第なり。

終戦直後の闇市を想起させる当エリアは
葛飾区・立石のソレと並んで
ロートル呑ん兵衛が抱く、懐旧の思いを鷲づかみにする。
わが身を一帯に解き放つ歓びにひたるとしよう。

当夜、といっても待合せたのは16時。
まだ、ぜんぜん明るかった。
相方はかなりの酒豪につき、心してかからねばならない。
二日酔いに備え、ウコンをバッチリ飲んできた。
もっとも毎朝、欠かさないんだけどネ。

J.C.が摂取するサプリメントはウコンと亜鉛。
少なくともかれこれ15年は続けている。
それもこれも肝臓と味蕾の機能を補助するためだ。
てきめんとは言わないまでも
それなりの効果はあるんじゃないかな?
いや、あるヨ。

1軒目は界隈でもっとも有名な「肉のまえかわ」。
はるか昔に精肉店だったのが
立ち飲みスポットに鞍替えして久しい。
ここで軽く1~2杯という腹積もりだ。
Just have a drink or two である。

冷蔵庫からビールのレギュラー缶を取り出し、
肉屋の名残りのショーケースの上で待ち構える、
オネエさんに差し出して清算。
ケース内に陳列された和牛ランプのたたきと
ポテトサラダも購入した。

たびたび書いたがビールを缶から直接飲むのは大嫌い。
それなら飲まないほうがいい。
よって、グラスをお願いするとネエさんの反応がない。
どうやら拒否された模様だ。

スタッフは若い娘が3人で
いずれも東シナ海の向こうから渡来したものと推察される。
言葉の上のミス・コミュニケーションかな? 
そう思って、なおもグラスの提供を求めると、
横から割って入った先輩格が
「ビールは缶から飲みますよぉ!」―だって。
声高に決めつけられちまったぜ。

いや、アンタはそうかもしれんけど、
あえてグラスを貸しとくれとお願いしとるでしょ。
なかなか思いは伝わらない。
いやはや泣く子と地頭とチャイナにゃ勝てんなァ。

=つづく=