2018年3月23日金曜日

第1834話 お次の下車は千歳烏山

京王線・柴崎駅より、
つつじヶ丘駅のほうがずっと近いのに
なぜか「柴崎亭」を店名とするラーメン店で
500円の中華そばを食べたあと、
再び新宿行きの各駅停車に乗って
やって来たのは千歳烏山。

あまり耳にしないが若い人はチトカラと呼ぶんだそうだ。
「てらすチトカラ」なんて
喫茶店兼食堂みたいな店もあるからそうなのだろう。
この町は十数年前に一度だけ歩いたが飲食した覚えはない。
夜の帳が降りかかる中、
見覚えのある駅前商店街をぶらぶらと―。

ラーメン店では生ビールを我慢したので
早いとこ渇いたノドをなだめたいが
意に染まる店がなかなか見つからない。
1本裏道に入って遭遇したのは「やきとり仲屋」。

中をのぞくとけっこうな入りである。
焼き鳥に食指は動かずとも中華そばのあと、
つまみは少量でいいからターゲットはビール。
カウンターに空席を確かめ、入店した。
品書きをチェックすると”やきとり”を名乗りながらも
実際は”焼きとん”の品揃えが多彩、これはありがたい。

キリンの中ジョッキとともに串の注文を通す。
パイパイ(牝豚の乳房)を塩、
シロ、ハツ元、網レバーをタレでお願いする。
パイパイと聞くと有楽町ガード下、
「八起」のオッパイ炒めを即時に連想してしまう。

近頃、レバーを網脂で巻いた網レバーを
あちこちで見掛けるようになった。
グッドアイデアだと思うが当夜のベストはシロだった。
シロといえどもほとんどテッポウで下ゆでの塩梅よろしく、
クニュクニュの歯応えが楽しめ、
脂分は昔懐かしい下世話なタレによくなじんでいる。

生ビールとシロのお替わり、そしてガツをタレで―。
シロとガツの見た目はそっくり。
ちょっと見では区別がつかない。
食べてみるとシロはウェット、ガツはドライだ。
こちらはこちらでまたよし。

串は塩、タレのほか、醤油、味噌ダレが選べる。
でもネ、オッサンにはやはりタレが一番。
子どもの頃に覚えた味が舌に脳にしみついている。

当店で人気の飲みものは
シャリキンレモンとバイスサワーのようだが
中ジョッキ2杯、焼きとん6本で仕上げた。
そうしておいて、みたび京王線。
ただし、今度は準急に乗りました。

「やきとり仲屋」
 東京都世田谷区南烏山6-6-24
 03-5313-2964