2018年3月22日木曜日

第1833話 初めて降りたつつじヶ丘

高幡不動での寄り合いの帰り、
京王線の各駅停車を降りたのはつつじヶ丘。
初めて訪れる町である。
春風そよ吹く夕まぐれ。
空腹を満たすために狙いを定めたのは
当エリアで人気のラーメン店。
とにかく旨くて安くて速いそうだ。

駅北口を出て線路沿いを西へ。
ホンの1分で「柴崎亭」に到着した。
ガラス張りの店舗はそのガラスに沿って
横一文字のカウンターのみ、テーブル席はない。

券売機の前に立って品定め。
ユニークな玉ねぎ中華そばなんてのに
そそられつつもベーシックな中華そばを購入。
これがワンコインの500円だ。

厨房の様子をうかがっている間に中華そばが出来上がる。
ストレートの中細麺は
梳(くしけず)られた乙女の髪の如くに整っている。
整髪料なんか使わずとも美しい。

プルプルの薄切りチャーシューは
豚肩ロースをゆがいたようだ。
シナチクと小松菜も丁寧に配されている。
とてもワンコインのルックスではない。

さっそくスープを味わう。
ややっ、ファーストアタックは酸味だ。
鶏ガラ主体の支那そば味を予想したが
アッサリめでも複雑な出汁が絡み合っている。

中細麺は驚くほどの硬ゆで。
俗に言うバリ硬に近く、
スパゲッティのアルデンテを超えている。
こりゃ、入れ歯使用者には難儀だネ。

半ば食べ進んでふと厨房を見やると、
麺の上に具材を並べる係のアンちゃんが
やおら鼻をほじくり出したじゃないの。
いや、ヤなもの見ちゃったなァ。

ハリルホジッチの采配には不安を覚えるけれど、
ハナヲホジッチの配膳は不潔だヨ。
無意識のうちに指が伸びたのだろうが
食品の提供を生業(なりわい)とするものとして
自覚が足りないねェ。
こういうことが二度とないよう、
あえて苦言を呈した次第なり。

「柴崎亭」
 東京都調布市西つつじヶ丘3-25-52
 電話ナシ