2018年6月6日水曜日

第1887話 可愛い町並み尾山台 (その2)

「オー ボン ヴュー タン」のフレンチ惣菜をぶら下げて
ぶらぶら歩く尾山台の町。
今度はソーセージ専門店の前で足がとまった。
近頃、アブナいと話題になっているハム・ソーセージだが
好物だからしょっちゅう食べている。

ハムはロースが一番。
プロシュートやハモン・セラーノなど生ハムも好む。
多種多様のソーセージなら
スライスして食べる大型のボロニアやモルタデッラ、
ミュンヘン名物のヴァイスブルストあたりが好きだ。

窓に貼り出されていた製品写真に見入っていると、
その端っこに猫の写真を1枚発見。
そう、里親探しである。
推定2歳の三毛猫はもちろんメス。
トイレのしつけも済んでおり、とても可愛い面立ち。
実物に逢いたくなったが逢うと別れがツラくなる。
ここはガマンの一手、心を残して立ち去った。

ランチのハンバーグはだいぶ消化された様子で
そろそろ1杯飲りたくなってきた。
あっちゃこっちゃフラフラした挙句、
探し当てたのは大衆食堂にして大衆酒場の「とんみ」。
目抜き通りからちょいとはずれた場所にあった。
この町らしからぬ下町風情がふんわか漂っている。

先客はオッサン1人、そして初老の3人組。
3人組はJ.C.と入れ替わりに退店していった。
壁にビールを値上げした旨が明記されている。
この春、各メーカーは業務用を値上げしたからネ。
それでもスーパードライの大瓶が750円だ。
生ビールみたいにジョッキの底上げで
客の目を欺くことのできない瓶ビールは
儲けが少なく、飲食店泣かせなのだ。

オバちゃんの接客にオジさんの調理。
息の合った二人体制はご夫婦だろうか?
いや、どうもそうではないらしい。
まっいいや。

突き出しのゆでもやしをつつきながら
先刻、大岡山で頼みそこなった串かつを通すと売切れ。
というより仕込みをサボッたのだろう。
それではと厚揚げ焼きをお願いした。

TVは”ミツバチを襲う農薬”の問題を特集していた。
養蜂農家が岩手県と全農を訴えたという。
そうだよなァ、農薬を散布されたひにゃ、
ハニービーはひとたまりもなかろうに―。

ここでドヤドヤっと、
老若織り交ぜたサラリーマンが8人で来襲。
こちらはカウンターに席を移してビールを飲み切り、
厚揚げを食べ切って早々にお勘定。
今宵はこのまま帰宅してワインでも飲むとしよう。
「オー ボン」のカイエットをつまみにしてネ。

「とんみ」
 東京都世田谷区尾山台3-34-1
 03-3702-0365