2018年6月21日木曜日

第1898話 白くはなかった白レバー

数か月前に門仲・木場とハシゴした、
のみともからメールが来信。

―明日空いてたら北千住で飲まない?
―いや、空いちゃいないが四ツ木あたりで独り飲み。
―四ツ木ってどこ? ジョインしていい?
かまわんヨ。

てなこって、べつにジャマになるわけでもなし、
オッサンを引率する運びとなった。

例によって行き掛けの駄賃を検討する。
葛飾区・四ツ木へは京成電車を利用。
浅草方面からではなく、
上野から京成本線で向かったため、
途中、青砥で京成押上線に乗り換え、
都心方面に戻るカタチとなった。

よって四ツ木の一つ手前、立石で飲むのが好都合。
終戦直後の闇市の面影を残す立石駅界隈は
世界遺産に登録されずとも
都内遺産としての価値はじゅうぶんにあろう。

初めて入った店は「温故知新」。
店内を見回しても品書きに目を通しても
ネーミングの意図はさっぱり伝わってこない。
さっそくスーパードライの中ジョッキをグイッと飲った。

串モノの注文を通す。
鶏トロハツは大きめの心臓が3個。
下に敷いたもやしは必要ないが、とにかく旨い。
それよりもここの串は竹串ではなく鉄串。
「熱いのでお気をつけください」―
注意を忘れてつまんじまい、「アッチッチ!」

ピーマンもデカかった。
半割りにしたのが3切れだから1個半分だ。
これは振り塩がトゥーマッチでしょっぱかった。
それでも好きな野菜につき、バリバリと平らげる。

もっとも期待度の高かった白レバーが
大根おろしを従えて現れた。
立派なサイズながら見た目はフツーのレバーである。
一噛みしても別段、濃厚な脂っ気は感じない。
割り箸で裂いたが、やはり脂肝ではなく血肝だ。
白くはなくて赤かった。
当然、不満が残る。

不満といえば席料100円というのも何だかなァ。
呑ん兵衛の聖地、
立石でこういうマネはしてほしくないねェ。
駄賃のせいで時間に追われてしまい、
再び押上線に乗って隣りの四ツ木に向かいましたとサ。

「温故知新」
 東京都葛飾区立石7-2-4
 03-6657-6674