2018年6月27日水曜日

第1902話 東京で初めて出会ったビアリー

文京区・千駄木の「とくじろう」にて
牛すじカレーをいただいたあと、
台東区・谷中との境界線上、へび道を歩いていた。
へび道だからクネクネである。
だいじょぶ、だいじょぶ。
ここではあえて渡辺真知子サンに登場は願わない。

出会ったのは「ルベーグ」というパン屋さん。
というよりベーグル専門店である。
カレー屋「とくじろう」も昨年の開店だが
こちらも昨年、しかも6月だからちょうど一周年。
何でも奈良県からやって来たそうな。
遠路はるばる、ご苦労さん!

ベーグルは好きではない、むしろ嫌いである。
質感があり過ぎて一噛みすると、
いつまでも口内にとどまってるのがイヤなのだ。
ベーグルの本場、ニューヨークに10年以上も棲んで
口にしたのはホンの数回に過ぎない。

ところが世の中よくしたもので
ベーグルの弟分に当たるビアリーは大好きだ。
日本人女性の中にはパンフリークが少なくないが
ビアリーをご存じの方はほとんどいまい。

小麦粉その他をこねて発酵させたあと、
熱湯でゆで、発酵を止めて焼き上げるのがベーグル。
一方のビアリーは”ゆで”の過程を省いている。
モチモチ感が抑制されており、食べやすい。

往時、ウォール街のオフィスに出勤すると、
最初に掛ける電話は近くのデリカテッセン。
朝食のデリヴァリーを頼むのだ。
毎朝、ほとんど変わらぬオーダーはかくの如し。

フライド・ボローニー w/ライトバター(バター少なめ)
ソフトボイルド・エッグ(3ミニッツ)
パイナップル・ジュース(缶)
トーステッド・ビアリー or イングリッシュマフィン
 w/ライトバター

ボローニーというのはボローニャ・ソーセージで
ぶっといヤツの薄いスライス。
ビアリーとイングリッシュマフィンは
それぞれ200回以上は食べてるネ。

「ルベーグ」で足がとまったのは
店頭の貼り紙に”桜海老のビアリー”を発見したから。
東京で初めて出会った懐かしきビアリー。
昔の恋人に遭遇した想いがした。

さっそく購入して翌朝食べると、どこか違うんだよなァ。
あちらでもオニオンやケシの実をトッピングするけれど、
しょっちゅう食べてたのはプレーンなヤツ。
それでもベーグルよりは断然ビアリーが好きだ。
肌を重ねた過去は
そう簡単に払拭できないものがあるんだネ。

「ルベーグ」
 東京都台東区谷中2-5-13
 03-6874-2538