2018年6月19日火曜日

第1896話 三角地帯でハギとシラウオ (その1)

松陰神社から三軒茶屋へとぶ~らぶら。
世田谷通りと環七が交わる場所は
ラジオの道路情報で耳に馴染みのある若林交差点。
ゆっくりと20分ほど歩いたろうか、三軒茶屋に到着した。

この日の夜は都内に残ったプチ・ラビリンス、
三角地帯で飲むつもりだ。
時計の針は・・・というのは嘘で
腕時計をしないから
ケータイのデジタルをチェックすると15時ちょっと前。
いくら何でも晩酌には早すぎる。

向かった先はカラ館である。
本当は遠い町まで数時間歩いて
移動するのが理想なれど、
ターゲットがこの地だから致し方ない。
マイクを手に、しばしのキリング・タイムである。

夜がやって来た。
迷宮の迷路を迷走、もとい、迷歩して
狙いをつけたのは「KUNIKAGE(クニカゲ)」。
日本酒の取り揃えに秀でた和食店のようだ。

小ぢんまりとした店のカウンターに落ち着いた。
ビールはサッポロラガー(赤星)だ。
昨今、この銘柄にこだわる店が増えて別段、
珍しくも何ともなくなった。
いえ、嫌いじゃないですけど―。

突き出しはタコときゅうりの酢の物。
二杯酢だった。
初めの注文は相方がリクエストした〆さばと水なす刺し。
そして当方が寵愛するかわはぎ肝和え。
何たってハギ君には目がないからネ。
刺身に限ればフグより好きなハギである。

〆さばも水なすもそれなり。
水なすは泉州・岸和田の特産だが
昨夏、近所のスーパーで購入した、
茨城産水なすも悪くなかった。
味覚にさしたる落差はないし、価格が5分の1だもの。

ハダカ麦焼酎・兼八のロックに切り替えた。
最後に飲んだのは去年の9月。
谷中の「のんびりや」だったと記憶する。
特有の香ばしさは焼酎界のシングルモルトと言ってよい。
もっともウイスキーはほとんど飲まなくなったけれど―。

さてさて、かわはぎ肝和えが整った。

=つづく=