2018年7月16日月曜日

第1915話 一年半ぶりの焼肉 (その1)

昨今は朝鮮焼肉とは言わぬらしいが
その焼肉を食べなくなって久しい。
ここ数年は誘われてもウンと言わなくなった。
若い頃は好きで、よく食したんだがなlァ。

一番の悩みは髪の毛や衣服に付着する匂い。
そして二番目は翌日のニンニク臭。
ニューヨーク滞在時はゴルフのあとで
シャワーも浴びずにそのまま仲間と焼肉店というか、
コリアンレストランに再三立ち寄った。
飲んで食って帰宅後、汗と埃と臭気を
きれいさっぱり洗い流すのは実に気持ちのよいものだ。

文京区・白山上に「Lee Cook」という小ジャレた店があり、
たまに訪れていたが
いつの間にかビルの建て替えとともに閉じてしまった。
しばらく経ってから
同区・向丘での営業再開を知ったものの、
何となく足が遠のき、未踏のままだ。

焼肉好きの友人から誘いを受けたのは今月初め。
いつもは他の料理に変更を願うところを
”ご馳走するから”の一言でコロリと気が変わる。
出費させといて、ああだこうだとはさすがに言いにくい。
あんまりうれしくないけど、とにかくお供することに―。

焼肉かァ・・・いつ以来だろう。
調べてみたら去年の2月初旬が最後。
偶然にも白山下の店だった。
安かろう、悪かろうの粗末な肉質のせいで
こっぴどい目にあったっけ。
このときも誘いに渋々重い腰を上げたのだった。

連れだっておジャマしたのは「炭火焼肉 きたむら」。
地番は北区・西ケ原。
JR駒込駅から本郷通りを旧古河邸に向かってしばらく、
ビルの2階に店はあった。

週末のせいか、家族連れで賑わっている。
ドリンク・メニューに目を通してイヤな予感がした。
生ビールはプレミアム・モルツ。
すぐその下の瓶ビールには銘柄が明記されていない。

ウエイター君に
「瓶ビールもプレモルなの?」―訊ねると
「いえ、スーパードライです」―ありがたきお返事。
一気に肩の力が抜けた。
心配させられたが幸先はいいゾ。

乾杯の際には
「いただきま~す!」―良い子のように元気よく発声。
何たってゴチになりやすんでネ。

=つづく=