2018年10月2日火曜日

第1971話 37年ぶりのジャージャーメン (その1)

お盆から2ヶ月近く、また神奈川県・川崎を訪れた。
思い入れの深い横浜とは異なり、
川崎に特別な感情はないが
再度の襲来にはそれなりのワケがある。
その理由は次々話にゆずるとして・・・。

ギャンブルとソープと映画の街、神奈川県・川崎。
JR川崎駅の南西に位置する小川町に
チネチッタ(映画街)がある。
スクリーン数、席数、観客動員数、
すべてにおいて国内有数のシネマタウンだ。
十数年前、デート相手のリクエストに従い、
ぶらぶらした記憶があるが映画を観た覚えはない。

同町に1937年創業の中華料理店「成喜」が
時を超えて今も繁盛を極めている。
何でも川崎で初めて餃子をメニューに載せた店だそうで
いまだに焼き餃子・水餃子ともに店の名物となっている。

当店の存在に気付いたのはワリと最近。
川崎の古い町中華に興味を抱き、発見した次第だ。
「大利根無情」の平手造酒よろしく、
「行かねばならぬ、行かねばならんのだァ!」―
そんな心境に陥った。

旧知の友に肥を掛け、もとい、声を掛け、
おっと、「きったねェなァ!」 ってか?
これは自分が悪くありました、素直にお侘びします。
てなこって、とにかく「成喜」を訪れた。

アイドルタイムに差し掛かる13時半だというのに
店先には順番待ちの客が5名ほど。
10分足らずで相席気味ながら案内された。
ビールは一番搾りor ハートランドのキリン系のみ。
迷わずハートランドの中瓶を―。

食するモノはあらかじめ決めてあった。
焼き餃子、海老炒飯、そして炸醬麵(ジャージャーメン)。
ただし、ここではザージャーメンと称される。
記憶が確かならば、この麺を最後に食べたのは1981年。
芝公園は東京プリンスホテル内の中国料理店、
「満桜日園(マロニエ)だった。
はるか37年前のことである。

甜麺醤の肉味噌が主役の、言わば中華風ミートソースだが
スパゲッティ・ボロネーゼはさんざん食べたのに
炸醬麵とはかくも長き空白をおいてしまった。
要するに魅力を感じないというか、
早いハナシがあまり好きじゃないんだネ。
それが此度、トライする気になったのは
餃子と並ぶ当店の人気メニューと知ったからだった。

=つづく=