2019年6月5日水曜日

第2147話 ブイヤベースとエスカベッシュ

越乃寒梅と時鮭のポテトフライをやったあと、
もはやこの場所に用はないとばかりに階下へ。
どこか近場でもう1杯、と思ったものの、瞬時に心変わり。
どうせ乗りかかった船、吉池グループ3連弾と行こう。
1階の鮮魚売り場に立ち寄ることに―。
前回、Y美嬢と買い出ししたケースと一緒だネ。

建て替え後、コンパクトになったフロアは
一巡りしてもさして時間が掛からない。
それでも入念にチャックして買い求めたのは以下4点。

刺身用きじはた四半身
真ごち丸1尾
小鮎1パック
活あさり1パック

即刻、帰宅して調理にかかり、作り上げたのは
きじはた・こちの刺身と小鮎の天ぷらだ。
これでビールと冷酒を飲った。

こちは大量なので残り四半身を昆布〆にし、
さらに半身のブツ切りをブイヤベース用に—。
小鮎天の半分はエスカベッシュに転用する腹積もり。

翌日。
こちのアラとあさりで取ったスープでブイヤベースを。
具材も同じくこちとあさりだけで甲殻類はナシだ。
あとはサフラン、ブーケガルニ、
ニンニク、玉ねぎ、セロリ、白ワイン。

鮎のエスカベッシュ、いわゆる南蛮漬けは
イタリアンならカルピオーネだネ。
ここには玉ねぎ、にんじん、ピーマンにも
一役買ってもらった。

酒は北イタリア・ピエモンテの白、ガヴィ。
卓上にはバゲットと発酵バターの用意もある。
エスカベッシュの鮎は和歌山産だから
養殖モノに間違いない。
市場に出回る琵琶湖産の稚鮎より一回り大きい。
豆あじを使う南蛮漬けも好きだが
そこは腐っても鯛ならぬ鮎、ワタの苦み鮮烈にして
頭と背骨柔らかく、あじより繊細な旨みを感じた。

アイオリ(ニンニクマヨネース)をあえて添えぬ、
ブイヤベースはあっさりと仕上げた。
スープにしたって本格的なものはビスクに近いが
これはほとんどコンソメだ。

日本における魚介類の年間消費量が
過去最低にまで落ち込んでいるらしい。
わが身を振り返ると、
魚&肉の消費レイシオは7:3、いや、8:2だろう。

若い頃、あれほどよく食べた焼肉ですら
またぎ始めて久しい食生活を送り続けている。
DHAとEPAの恩恵を満身に受け、
風邪一つひかず、これ以上ないくらい極めて健康なり。