2019年6月28日金曜日

第2164話 八十分間銀座一周 (その1)

本日は銀ブラじゃなくって銀フラのお話。

綾瀬にて踏まれ蹴られたその翌日。
同じメトロ・千代田線を利用して
降車したのは日比谷駅。
つれなくフラれたメーカーを潔く忘れ、
他社の夏物を見繕うつもりだった。

前日同様、まずは腹ごしらえである。
この日のディナーは自宅の予定。
出掛けにはちゃあんと、
バルバレスコを抜栓してきたもんネ。
アマトリチャーナのソースも仕込んであるし、
あとは帰り掛けに白身魚、あるいはチキンかポークを
そのときの気分次第で仕入れればよい。
したがって重い食事はいけない。
まっ、いつものことですがネ。

地下鉄の改札前につながる、
東京ミッドタウンを抜けて地上に出た。
目的地の日比谷シャンテは目の前である。
行き当たりばったりで界隈を物色するものの、
気に染まる店は1軒としてない。

JR有楽町駅前を一めぐりしても現状打破に至らない。
外堀通り(東京都道405号外濠環状線)にやって来ると、
あら、珍しや、かなりの規模のデモ隊が行進中である。
おうおう、いよいよ日本人も
香港市民のサポートに立ち上がったか!
てっきりそう思ったのは早とちりの勘違い。
シュプレヒコールは年金問題を叫んでいた。
アホウ、もとい、麻生を首魁とする政府の糾弾だった。

しっかし、東京の街でデモに遭遇するのは実に久しぶり。
時間に余裕さえあれば、尻尾にくっついていって
どこまでゆくのか確かめたいくらいだった。
アホエモンが”バカばっかりの税金泥棒”とあざ笑ったが
あの手の人格破綻者には言わせておけばよい。
オメエこそ、バカだろがっ!

いずれにしろ、J.C.はデモが好き。
デモ、大いにけっこう。
古今東西、デモは歴史を変えてきた。
体制ををひっくり返すために
これほど有効な手段はほかに少ない。
大衆を合法的に動員するのがデモであり、
個人が法を侵して遂行するのは暗殺。
確かなのはデモは無血が望ましいことだろう。

=つづく=