第2256話 午前の銀座は久しぶり

その日は朝から慌ただしかった。
いや、自分で勝手に忙しく、
スケジュールを組んだんだけどネ。
当日、成すべきことを
プライオリティーの順に並べてみると、

① ラグビーＷ杯決勝をＴＶ観戦
② 築地魚河岸にてつまみ調達
③ 東銀座「萬福」で昼めし
④ 西銀座「ウエスト」で喫茶
⑤ 銀座通り「伊東屋」で買い物

こんな案配だった。
イングランド VS 南アフリカのキックオフは18時だから
遅くとも17時半には帰宅していたい。
晩酌の準備があるからネ。

メトロ千代田線を二重橋前で下車。
丸の内のオフィス街を有楽町に向かって歩く。
東京交通会館１階の北海道どさんこプラザに立ち寄ると、
入口ではっぴを来たオジさんに何やら包みを手渡された。
これがチェックイン後の空港ロビーだったらヤバいけど、
オジさんはどこか人が好さげで
スナック「のんき」のマスターみたいな面立ちだから
無防備に受け取ってしまった。

どさんこプラザの人混みに辟易、早々に通り抜けた。
外堀通りを渡り、マロニエ通りを南東に下りつつ、
袋の中をあらためたら不二家のミルキーが入ってたヨ。
くれたのは北海道・八雲町の関係者だったらしく、
ふるさと納税のパンフレットが同封されていた。
なるほど、そういうことか、
ミルキー１箱とはいえ、渡世の義理が生ずるのを感じた。
八雲町は函館の北に位置し、
太平洋と日本海、二つの海を持つ町である。

銀座通り（中央通り）に面するステーショナリー「伊東屋」へ。
いや、しっかし、午前中に銀座を歩くのは何年ぶりだろう。
15年ほど前、毎晩のように出没していた頃なら
午前の銀座は日常茶飯事だったが
アレは午前様の午前だから意味合いがずいぶん異なる。

それはともかく、少々気が早いけれど、
来年のデスク・ダイアリーを取得しておきたい。
すみやかに目当ての商品をゲットする。
ここ数年、日本能率協会発行の、
NOLTY キャレルB6ウィーク１、これが気に入り。
開いたとき、ページの中折れ感が実によいタッチなのだ。
おい、おい、中折れといってもシモネタじゃないんだヨ。
そこんとこ、くれぐれもよろしくネ。