2019年11月7日木曜日

第2258話 クラシックを聴きながら・・・ (その1)

築地川公園を歩み、本願寺の裏を抜け、
築地魚河岸にやって来た。
今宵のつまみを調達するため、
小田原橋棟、海幸橋棟をくまなく見て廻る。

ここで問題発生。
気に染まるのはみな、手間ヒマがかかったり、
ポーションが大きすぎたり、厄介なモノばかり。
普段ならまだしも、W杯の決勝戦を控えてるのに
面倒なことはしていられない。

しかもこのあと、銀座有数のコーヒーショップで
お茶を喫するってのに
生臭モノなど持ち込める道理がない。
買い出しはすっぱりあきらめた。

築地から東銀座を経て西銀座へ。
大好きなフランク永井の低音が耳にこだまし始めた。

♪   ABC・XYZ
  これは俺らの 口癖さ
  今夜も刺激が 欲しくって
  メトロを降りて 階段昇りゃ
  霧にうず巻く まぶしいネオン
  いかすじゃないか 西銀座駅前  ♪
      (作詞:佐伯孝夫)

「西銀座駅前」は1958年のリリース。
その頃、ちまたでは

 この野郎、かゝって来い!
 最初はジャブだ・・・ ホラ右パンチ・・・

裕次郎の雄たけびが嵐を呼んでいた。
この年の春、長嶋茂雄がプロ野球デビューをはたし、
その陰ではJ.C.オカザワが小学校に入ったりもしている

前年の年の瀬、
営団地下鉄(現・東京メトロ)丸の内線・西銀座駅が開業。
銀座線・銀座駅とは異なる駅名になった。
これがオリンピックの直前、
日比谷線開通とともに銀座駅に改称され、
銀座線と合わせて銀座総合駅の誕生に至る。

それはそれとして、喫茶室「銀座ウエスト本店」。
今年で創業72年を数える「ウエスト」の店名は
西銀座の”西”から来ている。
2003年12月以来、16年ぶりの再訪を決断させたのは
友人・N塚サンが贈ってくれた、
「BLUTUS」の喫茶店特集版にほかならない。

この雑誌のせいで、もとい、おかげをもって
喫茶店訪問が激増している今日この頃。
限られたところしか紹介していないが
ボツになった店も少なくないのである。

=つづく=