2019年11月13日水曜日

第2262話 たぬき小路にサバイバル (その2)

上野広小路のすぐ近くなのに正反対のたぬき狭小路。
「とん八亭」のかつライスが整った。
5切れにカットされたロースカツのコロモはかなり色白。
肉の中心は淡いピンクで
パクリとやったら見た目通りにソフトな食感だ。

こんもりキャベツの脇にはポテトサラダ。
マヨネーズ控えめの味わいがやさしい。
自家製きゅうり&大根ぬか漬けは
浅漬けと古漬けのちょうど中間、旨みたっぷりだ。
出来合いで済ませる店が多い昨今、誠実さが伝わってくる。
とうふみ&みつ葉の味噌碗にも手抜かりがない。
ごはんが少々柔らかめながらいいお米。

たぬき小路を抜けた場所に新鋭の「とんかつ山家 上野店」あり。
行列が絶えぬ繁盛店は770円のロースかつ定食が人気だが
あと130円奮発するつもりで小路に足を踏み入れてもらいたい。
目からうろこ、口からよだれを確約しましょうゾ。
「山家」にも逸品が控えており、それは近々紹介してみたい。

久々の再訪で惚れ直した。
海老フライを除く全品を制覇したくなった。
ネックとなるのは昼のみの営業で
夜に友人と連れだって一杯飲りながら、というわけにいかない。
サービスメニューのない土・日であれば、
空いてるだろうと、土曜に出かけた。
開店の10分前に到着すると、すでに並びが3人。
やはり大したことはなかった。

数量限定のとんスジ煮込み&かにコロッケ定食を通す。
おそらくキリンと思われるビールは見送った。
それに早くも二巡目を狙った行列ができている。
とても落ち着いて飲める雰囲気ではない。
とんスジ&かにコロはともによかったがロースカツには敵わない。

中二日おいて今年限りの祝日。
ここ数年、注文していないヒレカツのために再訪。
ロースカツは平日のかつライスの豚肉増量なので
此度のクールでは食べずともよいのだ。
前回の経験から、タカをくくって11時25分着。
あれ~っ、ずいぶん並んでるじゃん、こりゃヤバいゾ。
見知らぬ人々の頭をざっと数えながら列の最後尾へ。

自分は14番目立った。
15席のキャパにつき、何とかなりそうだが
4人卓に2人で座られたら一発アウトのケースもある。
結果、一番最後に滑り込めた。
店内を見渡すと、4人卓に3人組あり。
危ない、アブない。

ヒレカツはとても美味しかった。
ロース以上とは言わぬが、たまにはヒレにしようと改心したほど。
現在、とんかつの街・上野において第一の気に入りはここだ。
たぬき小路にポツンと残る優良店が夜に開けてくれるなら、
晩酌の手駒がまた一つ、増えるというものであります。

「とん八亭」
 東京都台東区上野4-3-4
 03-3831-4209