2019年11月18日月曜日

第2265話 東京23区の最西端(その1)

新宿を起点とする西武新宿線は
隣り駅の高田馬場を出ると、すぐに左へカーブする。
進路を西に取ったら、あとはひたすら真西へと走る。
ガラガラの各駅停車を降りたのは武蔵関。
ここは練馬区・関町。
東京23区の最西端に位置する町を初めて歩いた。

この日はさんとも・O戸サンと
飲み・食べ・歌うの長丁場。
ランチは駅前商店街のはずれにある洋食店、
「三浦亭」を予約してあった。

例によって先乗りしたJ.C.、
駅の北と南をくまなく徘徊したあと、
西東京市と境を接する武蔵関公園に向かった。
小平市・花小金井に源泉を持ち、
練馬・板橋・北の3区を経て隅田川へと注ぐ、
石神井川がこの公園の片隅を細々と流れている。

園内の富士見池にはカルガモのほか、
数はまだ少ないものの、渡り鳥のキンクロハジロ。
加えて1羽のカワウが羽を休めていた。

町なかに戻る道筋の林では
つがいのキジバトがその美しい姿を見せてくれた。
ドバトにゃ悪いが同じハトに生まれながら
こうも違うのはいったい誰の仕業だろう。
人間界にもあることで、ヒトの場合はより深刻となる。

13時に相方と落ち合い、店内へ。
たった6席だけのカウンター、その一番奥に着いた。
テーブル席はなく、予備の椅子が1脚、
部屋の隅に置かれているばかりだ。

いただく料理の一つは
グリュイエールチーズのハンバーグと決めていた。
ビーフシチューが人気ながらソースがかぶりそう。
本日の魚料理はサーモンで、これはスルーした。
となると、チキンかポークの二択。
チキンソテーのマッシュルームソースを択ぶ。

最初にサーヴされたのはトマトのポタージュ。
丁寧に作られて本格的な味わいがあった。
続いたサラダはレタス主体のシンプルなものだが
ドレッシングが美味しい。
どことなくホテルの香りをまとっている。
独りで切盛りするシェフはおそらくホテル出身だろう。

メインの2皿が同時に整った。
カトラリーに手を延ばし、さァ、いただきましょう。

=つづく=