2019年11月19日火曜日

第2266話 東京23区の最西端 (その2)

東京23区の西のはずれ、武蔵関。
駅前商店街のこれまた西のはずれ、「三浦亭」。
目の前のハンバーグには1枚のグリュイエールチーズが—。
1115年、スイスの小さなグリュイエール村に生まれたチーズは
エメンタール同様に郷土料理のフォンデュに欠かせない。
無殺菌の牛乳を使うためか、エメンタールよりコクがあり、
J.C.の好きなチーズだ。

ところが残念ながらハンバーグになじんでいない。
グリュイエールの特性が活かされていなかった。
ハンバーグはそれなりに美味しいが
真っ当な洋食店なら普通にこなすレベルだ。
丁寧に作られたデミ・グラス、
ガルニのキャベツ蒸し煮はともによかった。

むしろチキンソテーのデキが上回る。
どこぞの銘柄鶏であるらしく、
弾力あるもも肉に旨みが凝縮しており、火入れもジャストだ。
パンとライスをお願いしたところ、ライスが2皿出てきたが
独りオペを考慮して、そのままいただいた。
黒ラベル中瓶2本と合わせ、会計は3570円也。

石神井川沿いに歩いて西武池袋線・石神井公園駅を目指す。
公園内の三宝寺池、石神井池の水面を眺め、
駅前の「ビッグ・エコー」へ。
相方によれば、最近のカラオケ女子のあいだでは
「カラ館」より「エコー」が優勢とのこと。
言われてみりゃ、ボックスはもとより、
トイレ周りもこちらのほうが清潔に保たれている。

J.C.にとってはビールの銘柄が許容範囲だし、
サントリー知多の存在も心強い。
それに比べて「カラ館」には飲むモノ、
いや、飲めるモノがほとんどない。
もっと奮起せいっ!

2時間ほど滞留し、次の目的地へ移動。
向かうは西武新宿線・井荻駅前の中華料理店「維摩」だ。
直線距離なら3キロに満たない。
ええい、歩いちゃえ!
と、これがしくじりの元だった。
西武池袋線・練馬高野台まで1駅歩き、
そこから環八を一気に南下すれば、それで済むこと。
早いハナシが1回の右折で一丁上がりだったのだ。

策士、策に溺れてショートカットしようと、
住宅街に迷い込み、文字通り道に迷う破目に—。
秋の日は釣瓶落とし。
それこそ鶴瓶も真っ青の真っ暗闇ときたもんだ。
加えて老眼に足を引っ張られ、
電柱に貼られた住所なんか見えやしない。
何とか予約の15分遅れでたどり着いたものの、
90分間に渡り、練馬・杉並両区をさまよったのでした。

「三浦亭」
 東京都練馬区関町北2-33-8
 03-3929-1919