2020年6月2日火曜日

第3406話 カニを殻ごと食ったんだガニ (その1)

向島から玉ノ井(現・東向島)を丹念に徘徊する。
途中、地蔵坂通りでこれもいなり寿司の佳店、
「松むら」に差し掛かったものの、
いなりまみれは回避するしかない。

墨東の町々をぐるりと巡って曳舟にやって来た。
駅ビルがあった場所にいつの間にか
デッカい病院が建っており、東京曳舟病院というそうだ。
この町はとうきょうスカイツリーライン伊勢崎線の曳舟と
京成電鉄押上線の京成曳舟、2つの駅を擁している。
どうでもいいけど路線名が長すぎるぜ、ったく。

時刻は16時50分。
1日24時間中、もっともシアワセなひととき、
晩酌タイムの始まり、始まり。
しかも4時間歩いた末のこと。
飢えちゃあいないが渇きまくっておりました。
さぞやビールが美味かろうて―。

路地を入った病院の裏側に1軒の中華料理屋あり。
惹かれたのは立て看板の文言だった。
 
オリンピック55種目にちなんで
記念ジョッキ 555ml
17時から19時まで 555円→380

アサヒビールがオリンピックのゴールドパートナーとして
ビッグスポンサーになったことは聞き及んでいたが
記念ジョッキの存在は知らなかった。
555mlは飲み応えがあるし、380円は実に破格だ。

ガラケーを取り出すと、まだ17時5分前。
よって、近所をプラプラしてから
舞い戻った「上海菜館」である。
日本全国あちこちにありそうな平凡な屋号の当店、
予備知識はなかったけれど、
好きな銘柄のLサイズに遭遇した以上、前進あるのみ。
つまみなんてどうでもいいとは言わないが
何か適当なのが見つかるだろうヨ。

来た、来た、来ました、生ビール。
最近は375ml前後の中ジョッキばっかり飲んでいるため、
555の存在感はさすがであった。
右手にずっしりくるもんネ。

ググググゥ~ッと飲って半分もいかない。
ジョッキを卓にも置かず、再びグビグビグビッ。
プッファ~!
客足が落ちていようとも
このキャンペーン目当ての客がそこそこ訪れるハズ。
ビールの鮮度はいいし、サーバーの手入れも行き届いて
いやはや美味いのなんのっ!

=つづく=