2020年6月16日火曜日

第2416話 本格中華と町中華 (その2)


練馬区・平和台の中国料理店、
「桂林」の大テーブルに独り。
干し豆腐はどこにでもあるものじゃないから久しぶり。
少々塩気が強いものの、
豆腐の食感と貝柱の旨みが調和している。
念入りに咀嚼して楽しむべき麺類といった感じで
たまに食べるとなかなかにオツなものだ。

写真付きメニューに惹かれる料理を発見。
豚足の氷砂糖煮である。
中国語表記は氷糖猪蹄とあった。
そう、彼の国で猪は豚を指す。
日本で言うところの猪は野猪になる。

おつまみポーションが500円+税。
少量にして低価格がありがたく、
独り飲みにはまさに打ってけ。
但し書きにコラーゲンとヒアルロン酸が豊富とあった。

とにかく、その氷糖猪蹄をお願い。
品揃え多彩な紹興酒が欲しくなるが我慢する。
運ばれた皿には醤油で煮込まれた塊りが4個。
八角が香り立ち、かなりの存在感を放つものの、
半分以上が骨だから楽勝、脇目もふらずかぶりつく。

豊富なコラーゲンのおかげで
両手の指だけでなく、唇の周りもベトベト。
おしぼりできれいサッパリ拭い去り、
お勘定は1800円ほどだった。

練馬区・平和台から板橋区・ときわ台を目指す。
こういう移動を”台替わり”と称する。
都の北西に位置する両区は基本的に台地。
地番を見ても台だらけ。
練馬には、桜台・高野台・氷川台・富士見台、
板橋には、稲荷台・中台・西台といった有り様だ。

上板橋駅前をぶらぶらして平和公園にやって来た。
園内の小さな池にはカルガモの番(つがい)が3組も―。
渡りをしないカルガモは一年中そばにいて
水辺に憩う人々の目を和ませる。
ホントに可愛いやっちゃ。

町中華「光陽楼」到着までの所要時間は1時間。
当店は川越街道から北上して中山道へ向かう、
前野中央通りに面している。
家族3人の営みと聞いたが訪問時は老夫婦二人きり。
開業して半世紀になるという。
では、さっそく冷たいビールをいただきましょう。

 =つづく=

「中国料理 桂林」
 東京都練馬区早宮2-17-35
 03-3933-1179