2020年6月8日月曜日

第2410話 岩手の味に舌鼓

緊事宣が解除されて数日後、
JR山手線・上野駅周辺を歩いた。
アメ横の居酒屋は大盛況。
あえて店名は明かさぬがカウンターだけで
30席に及ばんとする大店(おおだな)には客がビッシリ。
電線に連なって止まる、ふくら雀の如し。
何だか元に戻っちゃってるなァ。

静かなところで飲もう。
広小路の十文字を越えて湯島方面へ移動する。
第一感は”奥様公認酒蔵”の「七福神 岩手屋(岩手屋支店)」。
若者皆無の店だから喧騒とは無縁、立て込むこともない

先客は6人でカウンターとテーブルに半々。
客同士の距離を保つため、
止まり木にはもう止まれず、卓に着いた。
たまにはこういう飲み方もいいんでないかい。

スーパードライの中瓶を飲みながら
卓上の品書きと壁のオススメを吟味する。
まずは刺身系を一品いっておきたい。
三陸・宮古から直送されたサカナは3種。
真鯛とほうぼうが刺身、真鱈は昆布〆である。
ほうぼうと迷いに迷ったが白身魚の昆布〆は大好物。
真鱈を所望した。

うむ、うむ、なかなかにいい塩梅だなや。
わさびが似非(えせ)でどうしようもないから
添えられたスライスレモンを小皿に搾り、
レモン醤油としていただいた。

当店の日本酒はすべて
岩手・花巻、菊の司酒造によるもの。
いつもは七福神を飲んでいるが珍しいものを見つけた。
同じ菊の司の手になる粕取り焼酎・だだすこだん。
酒粕を再発酵させたもろみを減圧蒸留したものだ。
粕取り焼酎は15年ほど前、
東京・山谷の「大林」で飲んで以来になる。

真鱈とはあまり合わず、
思案の末に莫久来(ばくらい)を発注。
莫久来はホヤとコノワタを合わせた、
一種の塩辛だが清酒や焼酎には打ってつけ。
案の定、だだすこだんのロックと
夢の競演を果たしてくれた。
これがホントのロック・コンサートだよネ。

普段から麦や芋はよく飲むのに米焼酎は好まない。
ところが同じ米でも粕取りとなると、
味わいがよりとんがって、そこが実によろしい。
莫久来とのジョイント・コンサートを
存分に楽しませてもらったのでした。

「七福神 岩手屋(岩手屋支店)」
 東京都文京区湯島3-37-9
 03-3831-9317