2020年9月7日月曜日

第2475話 エクセレントな日曜日

その日曜日、電車を降りたのはJR山手線・駒込駅。
ランチと晩酌用つまみの調達を兼ねて出かけた。
夜に好きなTV番組、
池の水ぜんぶ抜く」を観ながら飲むつもりだが
途中で「半沢直樹」が始まるため、
チャンネルを替えねばならない。
録画の習慣がないから半分であきらめ、半沢に移る。

買い物前に軽い昼食か、ちょい飲みを目論み、
霜降銀座を北に歩いた。
鮮魚店「魚壮」に差し掛かり、
一応、中をのぞくと毛蟹がずいぶん安い。
う~ん、迷いに迷った末に見送る。

駅の反対側、アザレア通りに来ると、
食堂 ときわ」が暖簾を掲げていた。
ほかに選択肢もなく入店する。
界隈には駒込駅前、動坂下とときわ食堂」が3軒もあり、
別段、競り合うでもなく共存している。
3つ合わせりゃ、十数回は利用したハズ。

スーパードライの大瓶をお願いすると
「14時までですが、よろしいですか?」―
お運びさんに問われ、柱時計を見上げたら13時45分。
あわてて肉しらたき煮を注文した。

お通しの冷奴でビールを飲むうち、
登場した楕円形の皿は縁日や学園祭の焼きそば風だ。
かなりの量の豚小間が投入され、
白滝が中華麺みたいにこんもりと―。
せわしなく箸を上げ下げし、合間にグラスをあおり、
14時ちょうどのお勘定は1050円也。

今度は田端銀座を歩むと、ここにも「魚壮」があって
ナメタガレイの切り身とカンパチのカマを購入した。
自宅の冷蔵庫にはインドマグロ赤身のづけが眠っているし、
つまみの面子からすれば、日本酒がほしくなるが
この日、J.C.の嗜好の志向はちょいと違った。

田端銀座を突っ切り、動坂下に到達。
立ち寄ったのは小さなコーヒーショップを併設する、
輸入食品販売の「ジュピター動坂店」。
数は少なくともワインの取り揃えに個性が見える。
手に取ったのは比較的安価なバローロ、
テッレダヴィーノ ’15(2695円)。

当夜はカンパチの塩焼き&大根おろしでビールを
マグロのヅケ&カレイの煮付けでバローロを飲んだ。
酒も肴も文句なしにエクセレント。
香り高いテッレダヴィーノは、よくぞこの値段で! 
称えたくなるほどの秀作であった。

ついつい、ピッチが上がり、
秘蔵の・・・とまでは言わないが気に入りのチーズ、
カンボゾーラを取り出して合わせると、はたして・・・
ドイツチーズ&イタリアワインの好相性にほれぼれ。
その状況に呼応して
ヒトラー&ムッソリーニの悪相までもが
二つ並んでよみがえるのでした。

「食堂 ときわ」
 東京都北区田端4-1-1
 03-3824-6070

「ジュピター動坂店」
 東京都文京区本駒込4-41-4
 03-3824-2431