2020年9月8日火曜日

第2476話 刺身屋の 刺身定食 さすがなり

太陽はギラギラ、陽射しがジリジリと背中を灼く正午前。
日暮里・鶯谷辺りで昼めしにしようと
尾久橋通りを南東に歩いていた。
店の特定をせず、行き当たりばったりで―。

ビル地下にある「刺身屋 新太郎」が右手下方に見えた
店周りのスペースに余裕があり、
ガラス張りの店内が明るい。
地下へ降りる階段のアプローチもしゃれている。

「新太郎」は確か、西日暮里5丁目、
北島康介の実家の精肉店近くに本店があったハズ。
こちらは支店のようだが立派な造りだ。
つい、1階歩道脇の品書きに見入ってしまった。

=定食=
A 牛肉じゃが&鳥唐揚げ(800円)
B 手造りメンチカツ(850円)
C 海鮮山かけ丼&あさり味噌椀(900円)
S 刺身五点盛り&豚角煮(950円)

刺身専門店のわりに肉系もいろいろ扱う。
鳥・豚・牛が勢揃いしている。
本店すらまだ利用してないのに興味が湧いた。

入店してみると、かなりの大箱である。
時間が早いせいか先客はカウンターの端と端に一人づつ。
その間に割って入るつもりだったが
接客係にテーブルを促された。

初訪問の刺身屋につき、Sをお願いする。
待つこと5分あまり、配膳された陣容は刺身五点盛りが
たこ、サーモン、平目、まぐろ2切れづつ、甘エビ1尾。
豚角煮3個、キャベツ繊切り&トマトのサラダ。
大根皮&切り昆布のお新香風。
具だくさんのアラ出汁味噌椀と盛りのよいごはん。
相当なボリュームである

実食してみて驚かされたのは刺身の質と量だ。
白身に高価な平目を惜しげもなく使い、
まぐろ赤身は独特の酸味からして本まぐろだぜ、これは―。
そしてすべてが分厚く切りつけられていた。
似非わさびが残念ながら、実に破格だ。
これだけのサカナたちに囲まれて
思わずビールの中瓶を所望してしまった。

ゴロゴロッと3個も転がる豚角煮は
若いリーマンが泣いて歓びそうだ。
キャベツ・玉ねぎ・青菜・大根と
野菜たっぷりの味噌椀は
サカナのアラを使っていてもイヤな臭み皆無。
細い大根は守口大根だろうか? これにも驚いた。

客層は中年・若年のサラリーマンが8割り超え。
あとはOLで肉体労働に携わる人たちの姿はない。
どんなからくりがあって950円の刺し盛り定食に
平目や本まぐろを使うことができるのか?
見当がつかないけれど、刺身屋の刺身、さすがなり。

「刺身屋 新太郎 日暮里支店」
 東京都台東区根岸2-19-18 マルゼン本社ビルB1
 03-3874-3437