2020年9月18日金曜日

第2484話 旅の途中のそば屋のラーメン

2泊3日のひとり旅。
列車を降りたのは東海道線・静岡駅だった。
旅程からこの辺りで腹が減るハズ。
よって、昼めしはとある日本そば屋と決めていた。

駅南口からすぐの「清見そば本店」は地元の人気店。
日本そば屋なのに一番人気はラーメンだという。
この日は愛知県・豊橋の大衆食堂で晩酌し、
名古屋きっての大衆酒場で飲み直すつもり。
昼餉は軽きに越したことはない。

13時半を過ぎて7割りの入り、さすがの繁盛ぶりだ。
やはり500円ポッキリのラーメンを食べる客が目立つ。
待つ間にも単身客がコンスタントにやって来る。
後客3人からカレーライス&もり、
肉なんばん、玉子丼の注文が入った。
ラーメン以外の麺・飯類も順調に出ている

運ばれたラーメンの陣容は
小さめだが厚みのあるモモ肉チャーシュー2枚、
適量のシナチク、これも小さなナルトと海苔。
この可愛いコンビが水戸の「ミナミ食堂」に瓜二つだ。
 
近年まれに見る極細ストレート麺は
そうめんと冷や麦の中間くらい。
終いにはノビるが食べ始めは歯に舌に快感をもたらす。
細・太を択べる店では常に細だから
この細さに不満はない。
いや、久々の極細を存分に楽しんだ。

スープは意外にもしょっぱめ。
もっと意表を衝かれたのは
アッサリではなくコッテリだったこと。
むろん、コテコテではないが
日本そば屋の中華そばとしてはかなりの脂っ気を感じた。

ボリュームは他店の3分の2程度だろうか―。
ワンコインとしては上出来のラーメンと言える。
コップのお冷やをグイッと飲み干し、
気温30度超えのオモテに出た。

周辺の駅南商店街をぶらぶら往く。
北側に比べれば繁華度は落ちても
そこは政令指定都市、それなりの活気が保たれている。
古くは駿府と呼ばれ、名称の発祥は
徳川時代を遥かにさかのぼり、飛鳥時代との由。

さあて駅に戻ろうか、思った矢先に突然の雨。
ドシャまではいかないが
相当な雨足にムチ打たれ、走らされることに―。
走りながら思い出すのは千葉県・柏のカレー屋で
コーヒーを飲んだ後の、駅まっしぐらでありました。

「清見そば本店」
 静岡県静岡市駿河区南町1-6
 054-285-0649