2020年9月21日月曜日

第2485話 食堂だらけ 豊橋の街

およそ10年ぶりに訪れた愛知県・豊橋。
あのときも奈良へ行く途中の下車で
小1時間、駅周辺を散策しただけだった。
今回はこの街で晩酌をしてみたい。

下調べをしたら気になる大衆食堂がボロボロ出てきた。
候補を3軒に絞り、さらに吟味を重ねると
うち、1軒が中休みナシの通し営業。
豊橋着は16時前につき、
その「山田かん食堂」に行くしかなかった。

「山田かん食堂」の陳腐な屋号は
以前、山田館なる旅館だった由。
たった一字、館をひらがなにするだけで
ずいぶんインパクトが強まるものだ。

駅前から出ている路面電車に乗ろうとも思ったが
たかだか徒歩10分の距離なので歩いた。
到着すると店は閉じている。
何のことはない、他候補2軒同様に中休みをとって
夜の営業は17時からだった。
まっ、それもよし。
不案内な土地をさまようのは好きだ。

1時間後、17時ちょい過ぎに戻る。
生ビールはなく、キリンラガーの大瓶と小瓶のみ。
酒類はほかに日本酒のみである。
大瓶をお願いしたら柿ピーの小袋がサーヴされた。
自宅用にスーパーで買うことはなくともわりかしうれしい。

当店の人気メニュー、
Aバーグ定食を単品で発注すると、
一拍置いて今度はホンの二口ほどの冷やがけそばが来た。
これもサービスのお通しなのか、Aバーグに付属するものか
判らないが問い質しても意味がない。

皿に盛られた顔ぶれは主役のトリオが
ハンバーグ・とんかつ・海老フライ。
脇役陣はキャベツ&レタス、スパゲッティサラダ、
1/8カットのピンクグレープフルーツだ。

バーグのデミグラスがいい味を出している。
厚さ1センチのミニとんかつも水準をクリア。
海老フライは小さいなりに良質で甘みがあった。
ビールをお替わりしたが
好みの銘柄ではないため、小瓶にとどめる。
すると、またもや柿ピーが付いてきた。

食堂というより居酒屋風の店内。
ゆっくりしたいが先を急ぐので会計をお願いすると
800円のAバーグ定食が単品だと200円引きだった。
東京は100円引きが相場だから良心的である。
こんなところにも地方色漂う、黄昏どきの豊橋でした。

「山田かん食堂」
 愛知県豊橋市広小路2-5-1
 0532-53-3741