2022年3月9日水曜日

第2967話 お茶漬けの味 (その1)

小津安二郎の「お茶漬けの味」は1952年の作品。

遺作となった「秋刀魚の味」の丸10年前となる。

 

52年、日本列島を駆け巡ったのは

美空ひばりの「りんご追分」と

江利チエミの「テネシーワルツ」。

男性歌手なら春日八郎のデビュー曲、

「赤いランプの終列車」だ。

 

ちなみに、ひばりの「お祭りマンボ」もこの年。

こちらは女性として初めて

歌舞伎座の舞台を踏んだ彼女のコンサート記念曲。

もっとも音楽的にはマンボじゃないな。

先日、「題名のない音楽会」でやってた。

「マツケンサンバ」もまたしかりで

これは素人でも判るネ。

 

それはそれとして

今話は映画や音楽ではなく、お茶漬けのハナシ。

人それぞれに思い出の味や忘られぬ味がある。

子どもの頃になじんだ味を

けして忘れない哺乳動物はヒトと猫だそうだ。

 

自分の生まれた川に

迷いもせず帰って来る鮭なんかも

その最たるものじゃなかろうか―。

アレは味覚でなくて嗅覚かも知れないが

味覚・嗅覚は切っても切れない相関関係にある。

 

J.C.にもそれはあって

年に一度は食べたくなるのが日清のチキンラーメン。

ただし、食べるたびにコレは旨いとは思わない。

ただ、懐かしいだけなんだ。

 

甘み、苦み、酸っぱみ、いろんなものが

味覚に作用してくるけれど、

自分には懐かしみというのがあり、

とても重要な部分を占めている。

 

日清より好きなのは永谷園。

最近、あのお茶漬け海苔を

月に一度くらいの確率で楽しんでいる。

お茶漬けってめったに食べなかったのに―。

 

永谷園のTVCMに出た力士は大成しないが

お茶漬け海苔は捨てたもんじゃない。

小袋にある、◎作り方◎には

  茶わんに軽く1杯(100g)のご飯を盛る。

  その上にお茶づけの素をかけ、

  お湯(150ml)を注いでできあがり。

 

加えて、永谷園流おいしい食べ方。

茶わんは、いつもよりも大きめのものを。

ハハハ、ご親切にどうも

だけどネ、その但し書きには

大きな間違いが一つあるんざんす。

 

=つづく=