2022年3月29日火曜日

第2981話 角打ちうれしや吾妻橋 (その2)

墨田区・本所吾妻橋は角打ち「明治屋酒店」。

ウニクムのポスターの下でブダペストを偲び、

ちょいとばかりセンチになった。

そう、あれはセンチメンタル・ジャーニー。

でもなかったが、そこはハナシの流れだ。

 

ここで鳴り出したのは松本伊代でなく、

あおい輝彦の「センチメタル・カーニバル」。

 

♪   小さな肩先を ふるわせながら

  月夜に流れ込む 君がいる

  明日帰るよ あの街へ

  想い出 抱きしめて

 

  愛して 許されるものなら

  死ぬまで 話さないだろう

  涙にぬれてる ドレスがまぶしい

  センチメンタル カーニバル  ♪

 

    (作詞*阿部敏郎)

 

この名曲は1977年6月のリリース。

もっとヒットしてしかるべきと思うが

それほどでもなかった。

とはいえ、あおい輝彦はまだまだ健在だ。

菊は栄える 葵は枯れる

西郷死すとも あおいは生きる

いえ、輝彦サンのハナシです。

 

それはそれとして吾妻橋「明治屋酒店」。

おっと、その前にハンガリーの想い出だった。

彼の国を訪れたのは1994年初夏。

中欧・東欧をめぐる、

オペラ三昧一人旅とシャレのめした。

 

NYからブダペストに飛び、街中を歩きに歩く。

その夜はレストラン&バーのはしごに溺れた。

このとき飲んだのがウニクムと

エグリ・ビィカベール(雄牛の血)なる赤ワイン。

 

翌日の昼は市内のバスツアー。

夜は建て替え前のエルケル劇場で

ヴェルディの「リゴレット」。

その後、日本料理店「Japan」で遅い晩酌。

 

職人さんとの会話が面白かった。

当時ブダペスト在住の邦人は350人。

食材の仕入れ先が多岐に渡り、

帆立―豪州 まぐろ―トルコ 数の子―ロンドン

穴子&うなぎ―日本

何品かいただいたが期待以上に良質なものあり。

 

ハンガリーを出国して

スロバキアのブラティスラバへ。

この街は昨秋亡くなった希代のソプラノ歌手、

エディタ・グルベローヴァの生誕地である。

 

=つづく=