2022年3月24日木曜日

第2978話 ダラダラ降りた権之助坂

この日は理髪日。

目黒駅から権之助坂をダラダラ降りていた。

元禄時代の名主、菅沼権之助にちなむ坂である。

農民のため、幕府に働きかけて処罰されたとか

強盗を働いて処刑されたとか、

諸説ある人物だが極悪人説は極めて疑わしい。

 

坂の途中で、おやっ?

こんなところに焼き鳥屋があったかな?

14時半なのに、まだ営業中だった。

中をのぞくとカウンターの奥に先客が一人。

少々時間があるので1杯いっとこう。

夫婦者かな? 若い二人の切盛りである。

 

壁のポスターによれば、

「炭焼 いっしょう」は昨年12月の新規オープン。

ランチにも力を入れており、

牛ハラミステーキが千円以下で食べられる。

 

ドライ中瓶のお通しが妙ちきりん。

鍋料理の底をさらったかのような

白菜とにんじんの残滓に小さな鳥つくねが2個。

箸をつけたものの、すぐに止まった。

 

これを箸休めとは呼べない。

強いて言えば箸休止だ。

会計後、逆算してみたらチャージは450円。

それはないぜ、セニョーラ!

 

焼き鳥はボンジリ(120円)と

ハツモト(200円)を塩で―。

2本にとどめたが上々の炭火焼き。

しかしねェ、焼き鳥2本が320円で

愚にもつかないお通しが450円とはなァ。

 

年の始めの上野アメ屋横丁、

「のんちゃん」がよみがえる。

近頃、こういう商法が流行りなのかネ。

古き良き下町の心ある店主は

こんなマネをまずしない。

 

奥に居た先客は常連サン。

スタッフの女性と言葉を交わしている。

チラリ目に入ったが

鍋をつついているじゃないか―。

一人鍋かい?

何でも当店は炭火焼き鳥と

モツ鍋が二枚看板なんだそうだ。

 

さらに権之助坂を降り、

目黒新橋で目黒川を渡り、

大鳥神社を左折したところで

急に暗くなった空の下を歩いて行きました。

 

「炭焼 いっしょう」

 東京都目黒区下目黒1-5-20

 03-3493-9119