2022年3月16日水曜日

第2972話 赤羽で 赤と黒とを 飲みました

消えた「山田屋」のすぐ近所。

これまた好きな酒場「宝泉」に回ると

シャッターが降りている。

貼り紙も“支度中”の木札も無いため、

休みなのか、夜に開けるのか、まったく不明だ。

 

あっちゃこっちゃ、一めぐりしても

コレといった店が見つからない。

駅前ターミナルに赤羽行きのバスが停まっていた。

北区最大の繁華街ならすべて解決、乗り込んだ。

 

さっき徒歩て渡った踏切をバスで渡り返してる。

ヘヘ、何やってんだかァ?

真っ先に向かったのは

赤羽のランドマーク「まるます家」だ。

 

ところが此処もclosed、でも貼り紙はあった。

お客だけでなく、公共交通機関で通勤する、

高齢従業員に配慮したとのこと。

さすがだヨ、エラいねェ。

飲食店たるもの、こうでなくっちゃ。

 

駅前に戻り、「まるよし」をのぞくと

カウンターに1席だけ空きがあった。

まるます家」から「まるよし」へ。

ハナシがまるく収まるのも道理なり。

 

注文を取りに来たオバちゃんが

「ビールはラガーか×××の大瓶」―と言うが

よく聞き取れなかった。

周りを見るとサッポロ赤星が林立している。

はは~ん、ラガーがキリンで

×××はサッポロだな、赤星を通す。

 

つまみは秩父名産のしゃくし菜(230円)を―。

菜っ葉の漬け物では野沢菜と並ぶ大好物だが

居酒屋で初めて出逢った。

中国原産の体菜(タイサイ)は明治の初め、

日本に持ち込まれてしゃくし菜となる。

 

隣りのアンちゃんが黒ラベルを発注した。

何だ? なんだ? ×××は黒ラベルだったのか。

生も黒ラベルで「まるよし」はサッポロ王国だネ。

 

もつ味噌豆腐(180円)を追加した。

安いから少量だろうと踏んだのだ。

小鉢に二口サイズの厚揚げが一つ。

その上にミンチ状のもつが乗っている。

見た目はキーマカレーならぬ、キーマもつ煮だ。

 

2本目を黒ラベルに切り替え、トクトクトク。

赤星も美味いけれど、黒ラの爽快感が上回る。

とまれ、赤と黒の飲みくらべ。

今宵はいつにも増してシアワセな

軍都・赤羽の夜でした。

 

「まるよし」

 東京都北区赤羽1-2-4

 03-3901-8859