2012年7月10日火曜日

第356話 レバ刺しとフォワグラ (その2)

カリフォルニア州のフォワグラ禁止令に先がけて
わが日本では今月からレバ刺しが食べられなくなった。
刺身というか、獣禽類の肝臓の生食が不可となったのだ。
幸いなことにJ.C.はフォワグラ同様、
生レバにもまったく執着しない。

焼肉店にはすすんで行かないし、
生(ナマ)を提供する焼きとん屋でも
まず注文することはない。
たまに訪れる焼肉店でレバ刺しを頼むことはあるが
それだって生で食べずに軽くあぶっている。
レバーはチョイ焼きに限るのだ。
そして焼肉用のレバーよりも
刺身用のレバーを焼いたほうが断然旨いもんネ。

だが、世のレバ刺し人気は根強いものがあるらしい。
6月末には駆け込み需要のせいで
焼肉店がにわか繁盛したと聞き及んでいる。
なんでんかんでん禁じられると欲望がうずくものねェ。
禁断の果実は魅力的だもの。

そういえば友人のN濱クンからこんなメールが舞い込んだ。

こないだXXXにレバ刺しを食べに行きました。
最後のレバ刺しかと感慨深く食っていたんだけど、
お店の人曰く、
「今後も同様のレバーを提供する。
  生食用として提供はしない。
  でも、どう食べるかはお客さん次第」だと。
なので、7月以降も食べられることがわかって
ほっとしましたとさ。

以上、全文を紹介。
ふ~ん、食おうと思えば食えるんだ。
まっ、店によっては出さないところもあるのだろうけど・・・。
ちなみにXXXは台東区のとある町。
つまびらかにするとお店に迷惑がかかるやもしれず、
伏せておくことにした。

刺身は別としてレバーはかなりの好物ではある。
焼きとん・焼き鳥のレバーは必注科目だし、
うなぎ屋でも蒲焼きよりも肝焼きが好きなくらい。

今は昔、浅草の「弁天山美家古寿司」では
平目の肝を湯がいたり、煮付けたヤツを出してくれた。
まだ四代目が元気な頃で
脇でちょこまかやってた現五代目が
「ヒラフォアでございます」なんて言い添えてきてネ。
親子してシャレッ気たっぷりの江戸っ子だった。

そう、そう、レバの生食といえば、
イの一番に思いうかぶのは皮はぎの肝。
白無垢の身肉を肝醤油でやったら
それこそ河豚の上をいっちゃうヨ、皮はぎクンは!
生じゃないけど、湯引きで出てくるあん肝は
ヒトが言うほど旨いとは思わない。
読者のみなさんはいかがでしょう? 
あん肝、お好きですか?