2012年8月13日月曜日

第380話 過ぎ去りしロンドンの夏

終わりましたネ、終わりました。
五輪とW杯は大好きなので
終わると同時にもう次に思いを馳せている。
不思議なのは終わったときに
さびしさを伴うのは五輪だけ、W杯にはそれがない。
東京オリンピックの閉会式の様子が
心象風景としてずっと残っているせいかもしれない。

振り返れば、日本が獲得したメダルの数は38個で史上最多。
だけど悲しいかな金が足りないんだなァ、金が!
国別メダル獲得数ランキングだって金の多い順番だしネ。
かつて銀メダルを取ったバタフライの女のコが
「めっちゃクヤし~い、金がいいですゥ!」って叫んだが
その気持ちよく判る。
観てるほうだって、めっちゃクヤし~いんだからサ。

深夜というより夜明けのなでしこVSアメリカは
かなりの高視聴率だったそうだ。
なでしこが女性サッカーファンの獲得に
はたした功績ははかりしれない。
決勝まで進んでの銀メダルは賞賛に値する。

それに引き換え、男子サッカーは尻すぼみ。
予選リーグにピークを持っていっちゃった感否めず。
永遠のライバル、韓国に0ー2はガックシである。
サッカーの基本中の基本、
スリーS(スピード、スタミナ、スピリット)のすべてにおいて
韓国に大きく水をあけられていた。
加えて単純なミスと無駄なファウルの連発では
到底かないっこない。

男子サッカー同様に韓国と銅メダルを争ったのが
女子バレーボールだった。
こちらは迫田の大活躍で
ふがいないサッカーのリベンジをはたしてくれたカタチ。
日本中が溜飲を下げることとなった。
大統領選対策でイ・ミョンバクが竹島に電撃上陸した矢先、
否が応でも日韓のナショナリズムが煽られた時期だけに
そうコロコロ負けるワケにはいかんもん。
しかしかつてのお家芸のメダルが
28年ぶりとは隔世の感ありけり。

格闘技では不振をきわめた男子柔道とはうらはらに
男子ボクシング、それも重いミドル級の金は尊い。
ケレン味のない村田の笑顔がさわやかだった。
相手の警告がなければ惜敗のところ、天は彼に味方した。

男子レスリング・フリースタイル66kg級の
米満には度肝を抜かれた。
けして軽くはない階級の決勝であの豪快な勝ちっぷりは
柔道のフラストレーションがたまってただけに痛快。
日本人にもあんな勝ち方ができるんだねェ、いやお見事。

男子フェンシング・フルーレ団体の銀、
女子卓球団体の銅、女子バドミントン・ダブルスの銀、
野球とソフトボールが正式種目から消えた今、
それぞれに貴重なメダルだった。

水泳陣も健闘したが金メダル・ゼロはいささか淋しい。
それにしても陸上では身体能力の高い黒人選手が
水泳ではさっぱりなのが不思議でならない。

終わってみればアッというまのロンドンの夏だった。
これで毎晩グッスリ寝られる。
室伏の選挙違反問題が影を落としているなか、
東京招致はいったん水に流して広島・長崎両市が
共同開催で手を挙げてくれないものだろうか。