2012年8月31日金曜日

第394話 ふたりの大塚

ひとりで大塚の町をハシゴした夜から
数週間が経った。
早いハナシが先週末のこと。
フィリピンはマニラ在住ののみとも、
H澤サンと一晩、酒盃を交える運びとなった。

都内ならどこへでも出向くと言うので
行く先を一任されたJ.C.が選んだスポットはまたもや大塚。
伴った友人たちがこぞって絶賛する「江戸一」と
「富久晴」にぜひとも案内したかったのだ。

てなこって今回は「ひとりの大塚」に非じ、
「ふたりの大塚」とシャレのめすことに。
もっともオトコ二人じゃ色気はまったくない。
頬よせあって踊るわけにもいかないからネ。

大塚駅改札で落ち合って歩く道すがら
彼曰く、若い頃に大塚へはたびたび来ており、
言わば青春時代の思い出が詰まった町らしい。
訊けば半世紀前に当時の彼女と
前述の両店を一度ずつ訪れたというではないか。
ちゃんと行くべきとこには行ってるんですなァ。

まずは「江戸一」が定石ながら
この夜はからめ手から攻めた。
風格漂う「江戸一」で
つまみをあれこれ並べるのはスマートじゃない。
事前にそこそこの腹ごしらえが必要となる。

「富久晴」ではH澤サンに
もつ&野菜焼きを15本ほど食べてもらった。
こちらは6本でストップ。
小ぶりな串がスイスイと胃袋におさまってゆく。

「江戸一」では
旧知のW辺サンとまたまた再会。
しかも当夜は隣り同士となり、会話も弾む。
いや、楽しきかな。

さっそく冷えた白鷹を。
肴はさんま刺しとチョイ焼きたら子。
さんまは今期初めてだが
鮮度といい、脂のノリといい、非の打ち所ナシ。
青背のサカナは酢〆が好みながら、コイツにはヤラレた。
たら子のほうも毎度変わらぬ美味しさだ。

白鷹のあとはいつものヤツ。
菊正宗の一合瓶である。
若女将が推奨してくれた鯨のベーコンを追加する。
千切りになってはいるが世界最大の哺乳類、
白長須鯨のソレだと言う。
なかなか口に入るものではないからありがたく頂戴した。

酒は2合ほどで切上げる。
店の前でタクシーを拾い、神保町へ。
わがホームグラウンドの「やまじょう」はH澤サンもおなじみサン。
この店のことは過去に何度も紹介したから
本日はこれにで打ち止めといたします。

「富久晴」
 東京都豊島区南大塚2-44-6
 03-3941-6794

「江戸一」
 *昨日のブログをご覧ください