2012年8月21日火曜日

第386話 夏の日の朝食 (その1)

何十年ぶりかでバナナを食べた。
子どもの頃は好きだったが
中学生あたりから興味がなくなり、以来トンとご無沙汰。
此度も食べたかったわけではないのに
つい魔が差して棚に手がのび、1本だけ買った。
銘柄はドーレだか、チキータだか、まったく覚えちゃいない。

帰宅して食べてみたらちっとも旨くない。
風味は嫌いじゃないけれど、なんだかモコモコして
咀嚼(そしゃく)&嚥下(えんげ)にけっこうな労力を要する。
結局、3分の2ほどで途中下車、自分のだらしなさを反省。

夏場に食欲が失せることはありえなく、
つい先日も真ゴチと水ナスを堪能したばかり。
ずっと疎遠になってるうちに
バナナとは別々の道、違う人生を歩んできたらしい。

午前6時に目覚めたある朝。
ちょいと蒸し暑い朝。
久々にハワイアンでも聴こうと思い、
4年前に亡くなった日野てる子の「夏の日の想い出」を。

 ♪ きれいな月が 海をてらし
   たたずむ影は 砂にうかび
   あなたの熱い くちづけが
   つめたい頬に よみがえるの
   夏の想い出 恋しくて
   ただひとりだけで 来てみたのよ
   冬の浜べは さみしくて
   よせる波だけが さわいでた ♪
         (作詞:鈴木道明)

ふと思いついて夏の日の食卓にふさわしい、
和朝食をキッチリ作る気になった。
そういうのしばらく食べてないこともあって
男J.C.、いささか気合いが入った。
アニマル浜口みたいな空回りの気合いじゃなくてネ。

まず米を研ぐことから始めた。
山形県産コシヒカリの袋には
全国食味ランキング特A受賞のラベルが貼られている。
山形米なのになぜか販売者は
山梨県の坂本商事なる株式会社。
流通機構の不思議とでも言っておこうか。

研いだ米は45分ほど水中に寝かせ、炊飯器のスイッチオン。
せっかちな性格につき、いつも早炊きボタンを押す。
はたして20分後、とても上手に炊き上がった。
自分好みの固めである。
外食の際、ヤワヤワの飯に出会うと、まっこと腹タツノリ。
その飯でにぎり飯を作り、炊いたヤツにぶつけてやりたくなる。

=つづく=