2013年11月12日火曜日

第706話 キジに劣らぬキジハタの味 (その2)

天下の美味魚、ハタのつづきである。
ちなみに漢字では羽太と綴る。
一口にハタといっても種類は多種多彩。

 ♪ 恋にもいろいろ ありまして
   ヒゴイにマゴイは 池の鯉
   今夜来てねと 甘えても
   金もって来いでは 恋じゃない ♪
        (作詞:藤田まさと)

コイ同様にハタにもいろいろあるのだ。
ザッと挙げただけでも
真ハタ、赤ハタ、ネズミハタ、アズキハタ、ユカタハタ、
安価な青ハタに高級なサラサハタ、
毒素を体内に蓄積して危険なバラハタ、
そしてサブタイトルのキジハタだ。

まずはそのキジハタをお目にかけましょう。
オレンジ色の斑点がキジハタの特徴  
よって広東料理店では清蒸石斑魚と称する。
読み方はチンチェン・シーバンユイ。
写真はウロコを落としてもらったから少々くすんでいる。
実際はもっと鮮やかな色合いで
撮影にはもちろんそのままのほうがよいが
自宅でウロコを引くのはシンドいから仕方がない。

コイツをゲットしたのはJ.C.御用達、
北千住マルイの地下にある「食遊館」。
なかなか立派な鮮魚売場を備えており、
陳列スペースにこのキジハタを発見したときは小躍りした。
しかも、値段は800円ほどじゃなかったかな。

あまりにうれしくて産地の確認を忘れたほどだ。
さっそく買って帰り、清蒸は厄介だから香草焼きにした。
使ったハーブはタイムとタラゴン。
塩・胡椒したところにオリーブオイルを掛け回してシンプルに焼き上げる。
ハーブは焦げるから二度に分けてハタの上に盛ってやる。

焼き立てにレモンを搾り、味わってみると、
いや、まことにけっこうでありました。
半身はアイオリ(にんにくマヨネーズ)と一緒にやり、
清蒸には及ばずとも、じゅうぶんに満足したのであった。

吉事は重なるものですな。
後日、御徒町のサカナのデパート「吉池」で
同じキジハタに出会ったのでありました。
前回よりホンの少し小ぶりで700円ほどだった。
産地は富山湾だ。
おそらく北千住のそれも富山だったのだろう。

此度は日本酒・醤油・上白糖で煮付けてみる。
あとは根しょうがを控えめに1片だけ。
いやはや、これまたまことにけっこう毛だらけ、猫灰だらけ。
わが家の猫もキジに劣らぬキジハタに夢中になっておりましたとサ。

「食遊館」
 東京都足立区千住3-92 マルイB1

「吉池」
 東京都台東区上野5-25-8
 03-3834-0145