2013年11月1日金曜日

第699話 黒いにんにく 双子の玉子 (その3)

さて、さて、このビッグ・エッグである。
運び人に訊いたら、コレは紛れもなく鶏卵だという。

ハナシは変わるが
漢字の卵と玉子は本来、使い分けるのだそうだ。
生のタマゴが卵で、調理すると玉子になるそうな。
J.C.の場合は”卵”という字を極力避けている。
だけど、”鶏卵”を”鶏玉”とは書けんもん。

なぜ、”卵”がイヤかというと領海侵犯が得意な隣国では
”卵”はカエルや昆虫のタマゴを指し、
ニワトリのタマゴには”蛋”の字を当てるからだ。
いわゆる蛋白質の”蛋”ですネ。
何かの拍子にそのことを知り、隣国に学んでしまった。

言われてみりゃ、たとえば中華料理のフヨウハイ(カニ玉)は
芙蓉蟹蛋(フヨウハイタン)が正式名。
芙蓉蟹卵(フヨウハイラン)じゃ、
とてもとても薄気味悪くて食べる気になれない。
調べてないから判らんが
彼の国では排卵期も排蛋期になるんだろうか?

そんなことはそれとしてデッカい玉子を割ってみてまた驚いた。
だって、こうだもん。
双子の黄身が出てきたヨ
専門用語でこういう鶏卵は二黄卵(におうらん)というんだそうだ。
俗名は二子玉川よろしく、ニコタマとも。

いくら図体がデカくても黄身が2個では白身も肩身が狭かろう。
実際に目玉焼きと玉子焼きを作ってみたら
やはり白身が少なく黄身が多いぶん、味が濃厚だった。

なんでこんな玉子が生まれるのだろう?
実は青森県畜産試験場では1979年から
二黄卵の実用化に向けて品種改良と育成研究が実施され、
餌の与え方により発生率を高める方法を編み出したんだと。

いやはや、黒にんにくもそうだけど、
青森県って進取の精神に満ち満ちて
いろんなことにチャレンジするんだねェ。
それに比べてわが東京都は寂しい限り。
何とかせいや、猪瀬のとっつぁんヨ。

デカ玉の到来でいろいろ玉子料理を試したが、ふと思った。
殻の中はいったいどうなってんのかな?
中をのぞくことはできないし、
手っ取り早いのはゆで玉子であろうヨ。

でもって、ゆでてみました。
黄身は雪だるまのごとし
ゆでたからには食べたけど、
いや、食べ応えがあったこと、あったこと。

=おしまい=